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 足立医療センター 外科
概要 Keywords 当該年度の研究費受入状況
学術雑誌 著書 学会発表


教授:
   小川 健治
   成高 義彦
准教授:
   勝部 隆男
   吉松 和彦
講師:
   塩沢 俊一
   島川 武
   細川 俊彦
   横溝 肇
助教:
   金 達浩
   今野 宗一
   土屋 玲
   村山 実
   山口 健太郎
   浅香 晋一
   碓井 健文
   臼田 敦子
   大澤 岳史
   大谷 泰介

   大部 雅英
   木下 淳
   木村 聖美
   久原 浩太郎
   小林 里絵
   佐川 まさの
   滝沢 章子
   土屋 晶義
   中安 靖代
   中山 真緒

   服部 晃典
   藤本 崇司
   松本 敦夫
   宮木 陽
   矢野 有紀
   山口 晶子
   渡邊 清
■ 概要
特徴
「食道」、「胃」、「大腸と肛門」、「肝臓、胆道、膵臓」という臨床グループに別れて診療しています。各疾患の診断、定期的な手術に加え、腹腔鏡下手術、がんや食道静脈瘤の内視鏡治療、がんに対する化学療法(抗がん剤)や活性化自己リンパ球移入療法(免疫療法)などを行っています。
詳しくはこちらのサイトをご覧下さい。東京女子医科大学東医療センター外科
胃グループ
胃癌は、現在なお日本でもっとも重要な疾患です。私たちは、年間約100名の胃癌の患者様に対して内視鏡治療や手術を行っています。診療に際して、最も重要視している点は診断の正確性です。X 線、内視鏡のスペシャリストが検査にあたり、進行程度、広がりをチェックしたうえで、より負担の少ない治療を選択しています。その結果、早期癌はほぼ全例で内視鏡や腹腔鏡を用いた治療を行っています。リンパ節転移の可能性がなければ、可能な限り内視鏡治療を第一選択とし、腹腔鏡による手術を第二選択としています。腹腔鏡を用いた手術は、患者様に対する侵襲は少なく、術後の回復が早いことが特徴です。一方、進行癌に対する治療は開腹手術が主体となりますが、化学療法や免疫療法の進歩もめざましく、一人一人に応じた治療法の選択が大切と考えています。最後に、従来は軽視さがちであった手術後の胃機能に注目し、胃の排出能を始め、術後障害の研究にも力を注いでいます。手術後の後遺症を正しく理解することで、より質の高い治療ができるものと考えています。
食道・門脈圧亢進症グループ
食道グループは食道癌をはじめ,食道良性腫瘍,食道アカラシア,食道裂孔ヘルニア,逆流性食道炎,食道静脈瘤などの食道疾患の外科的,内科的および内視鏡的治療を専門に行っています。各種食道疾患の検査,診断,治療,フォローまで一貫したシステムを同一の専門医が担当するのが私たちの基本方針です。たとえば食道癌の場合,治療の4本柱である手術療法,化学療法,放射線療法,内視鏡治療について、個々の症例に応じて最善と思われる治療の組み合わせを患者様に提案し,十分なインフォームド・コンセントを行った上で集学的治療を心がけています。食道癌の手術件数は年間25例前後で,内視鏡治療を合わせると年間約30例以上の治療を行っています。食道静脈瘤については600例を越える治療経験を持っており,低侵襲な内視鏡治療を中心に治療を行っています。
大腸・肛門グループ
大腸・肛門班では大腸癌、炎症性腸疾患、肛門疾患の診療にあたっています。また、ストーマ外来を開設し、ストーマ患者さんのケアも行っております。
診療の中心は大腸癌で、地域の先生方から新規症例、再発症例を御紹介いただいております。大腸癌の手術は年間100例を超え、再発症例、その他の悪性疾患、良性疾患を加えると約200例の手術を行っています。特に大腸癌に対する治療は、腹腔鏡補助下手術から高度進行癌に対する拡大手術まで病状に応じた手術を行い、最新の抗癌剤治療や免疫療法も積極的に取り入れ、患者様にとってよりよい治療を受けていただけるよう研鑽しています。
肝・胆道・膵臓グループ
私たちのグループでは、肝臓・胆嚢・膵臓領域の悪性腫瘍および胆石症など胆道系の良性疾患の診断、治療を行っています。肝臓・胆嚢・膵臓領域の疾患は正しい診断が困難なことも多いため、最新のマルチスライスCTやMRIなどを用いた立体的な画像診断法にも力をいれています。
年間の手術件数は肝臓癌30例、膵胆道癌25例、胆石症80例(うち腹腔鏡下手術65例)です。また、患者樣のQOLを重視し、単に手術治療にとどまらず、化学療法やカテーテルを用いた治療も私たち外科医自らが行っているのも特徴の一つです。特にカテーテルを用いた血管造影検査・治療は1999年より世界に先駆けて左腕の動脈から行っており、低侵襲な方法であることから、患者さまにこれまで高い評価を戴いています。
外科細胞治療班で行っている活性化自己リンパ球移入療法は、がんに対する代表的な免疫療法の1つです。患者様から採血した血液中に含まれるリンパ球を約2週間刺激し、培養することで細胞数を約1000倍以上に増殖させます。この方法で活性化し、調製された細胞のほとんどは活性化Tリンパ球です。Tリンパ球は、ウイルスに感染した細胞やがん細胞などの異常細胞を排除する役割を担っています。また、Tリンパ球の中にも様々な役割を持つ細胞がありますが、この培養方法はこれらTリンパ球を同じ割合で増殖させますので、大変幅広い効果が期待できます。このように、リンパ球を体外で活性化増殖させ、機能をさらに高めてがん治療に用いることを目的としています。ご自分の血液から採取したリンパ球ですから、副作用の心配はほとんどありません。
当科と共同研究している関根暉彬博士(元国立癌センター研究室長)らは、肝臓癌の手術後にこの治療を実施した患者様と実施しない患者様の生存率および再発率を比較し、本治療の優れた治療効果を世界的に権威のある医学雑誌(ランセット)に発表しています。この結果が示すように、この治療にはがんの再発予防に優れた効果がみられます。また、脳腫瘍、腎癌、前立腺癌、子宮癌などについても、関係各医療機関からその効果について報告されています。
一方、この治療の効果を抗がん剤や放射線療法に比較しますと、直接がん組織を縮小または消失させるような効果は弱いのですが、QOL(生活の質)を改善することが可能です。当科でもすでに500例以上の投与経験がありますが、同様の結果です。
この治療は自由診療となり、患者様の経済的負担は大きいのですが、がんに対する第4の治療法として期待し、行っています。
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■ Keywords
胃癌, 食道癌, 食道静脈瘤, 大腸癌, 肝臓癌, 膵胆道癌, 胆石症, 内視鏡治療, 腹腔鏡補助下手術, 化学療法, 活性化自己リンパ球移入療法
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■ 当該年度の研究費受入状況
1.  厚生労働省科学研究費補助金
 研究課題:進行・再発膵癌に対する新規エピトープペプチドカクテル療法と標準化学療法の併用効果を検討する他施設共同第Ⅱ相臨床試験  (研究代表者:吉松和彦)
 研究補助金:2,500,000円  (代表)
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■ 当該年度研究業績数一覧表
学術雑誌 著書 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
筆 頭Corresponding
Author
共 著筆 頭Corresponding
Author
共 著 筆 頭共 著筆 頭共 著 演 者共 演演 者共 演 演 者共 演
 10 7 6 1 1 3  0 5 0 0  65 35  8 0  0 0
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■ 学術雑誌
原著
1. 村上克宏, 高西喜重郎, 森田泰弘, 宮木陽, 松本潤:  腹腔鏡下摘出術を施行し完全内臓逆位に併発した後腹膜神経鞘腫の1例.  本臨床外科学会雑誌  74 (2) :564-567 , 2013.2
2. 北薗巌, 宇都光伸, 堤田英明, 上村万里, 菰方輝夫, 上村俊朗, 井本浩:  肥満症例(BMI≧25kg/m2)における腹腔鏡下虫垂切除の検討.  日本内視鏡外科学会雑誌  18 (1) :31-35 , 2013.1
3. Akira Miyaki*, Kazuhiro Imamura, Rie Kobayashi, Makoto Takami, Jun Matsumoto, Yukari Takada:  Preoperative assessment of perigastric vascular anatomy by multidetector computed tomography angiogram for laparoscopy-assisted gastrectomy.  Langenbeck's archives of surgery / Deutsche Gesellschaft für Chirurgie  397 (6) :945-950 , 2012.5
4. 小泉和雄*, 山崎勝雄, 遠藤貢, 中島修, 向井聖士郎, 大澤岳史, 林隆広, 小池礼子, 鈴木泰志, 小泉章子, 深澤徹, 小泉蓉子, 新井一成, 村上雅彦:  私立病院における早期胃癌175例の検討.  Progress of Digestive Endoscopy  81 (2) :62-66 , 2012
5. 臼田敦子*, 瀧井康公, 松木淳, 中川悟, 藪崎裕, 梨本篤, 大倉裕二:  大腸癌手術患者における下肢静脈超音波検査による下肢静脈血栓の検討.  日本外科系連合学会誌  37 (2) :153-157 , 2012
総説及び解説
1. 中山真緒:  2章 術識別解説
[2]胃全摘術.  消化器外科NURSING  17 (6) :19 , 2012.6
症例報告
1. 中山真緒, 吉松和彦, 横溝肇, 大谷泰介, 大澤岳史, 藤本崇司, 松本敦夫, 矢野有紀, 成高義彦, 小川健治:  虫垂炎手術創からの排膿を契機に診断した腹壁浸潤盲腸癌の1例.  日本外科学会系連合学会誌  38 (1) :100 , 2013.2
2. 島川武, 吉松和彦, 大谷泰介, 浅香晋一, 久原浩太郎, 横溝肇, 塩沢俊一, 勝部隆男, 成高義彦, 小川健治:  化学療法併用活性化自己リンパ球移入療法が有効であった再発消化器癌の3例.  日本外科系連合学会誌  37 (1) :56-63 , 2013.2
3. 石井佳子, 吉松和彦, 横溝肇, 大谷泰介, 大澤岳史, 松本敦夫, 中山真緒, 成高義彦:  ストーマ再造設で改善した創感染合併ループストーマ管理困難の1例.  日本外科系連合学会誌  38 (1) :169 , 2013.2
4. 羽田真朗*, 須貝英光, 古屋一茂, 芦澤直樹, 滝口光一, 中山裕子, 鷹野淳史, 宮坂芳明, 中込博, 勝部隆男:  腹腔鏡(補助)下胃局所切除術を施行した胃神経鞘腫の2例.  日本外科系連合学会誌  37 (6) :1114-1119 , 2012.12
5. Taketa Takashi , Ohigashi Seiji, Sudo Kazuki, Shiozaki Hironori, Suzuki Akihiro, Blum Mariela, Ajani Jaffer, Onodera Hisashi:  Paraneoplastic neurological syndromes associated with gastric cancer: a case report and review of the literature.  Clinical Journal of Gastroenterology  5 :355-360 , 2012.8   DOI:10.1007/s12328-012-0328-z
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その他
1. 大澤岳史*:  食べられないと訴えられたとき~消化器症状の評価と治療.  レジデント  5 (11) :63-72 , 2012.11
2. 佐藤信昭*, 神林智寿子, 金子耕司, 臼田敦子, 山口哲司:  乳癌のセンチネルリンパ節微小転移の意義.  日本外科系連合学会誌  37 (4) :742-746 , 2012.8
3. 佐川まさの, 勝部隆男, 村山実, 山口健太郎, 浅香晋一, 島川武, 吉松和彦, 塩沢俊一, 成高義彦, 小川健治*:  消化器癌手術における周術期栄養管理
ー栄養スクリーニングの指標を中心にー.  日本外科系連合学会誌  37 (4) :760-764 , 2012.8 Link
4. Aizawa Masaki*, Kojima Motohiro, Gotohda Naoto, Fujii Satoshi, Katoh Yuighiro, Kinoshita Takahiro, Takahashi Shinichiro, Konishi Masaru, Kinoshita Taira, Ochiai Atsushi:  Geminin Expression in Pancreatic Neuroendocrine Tumors: Possible New Marker of Malignancy.  Pancreas  41 (4) :512-517 , 2012.5
5. 大澤岳史*, 吉松和彦, 横溝肇, 大谷泰介, 中山真緒, 塩沢俊一, 勝部隆男, 成高義彦, 小川健治:  転移性大腸癌に対する2次治療以降で使用したcetuximabの治療効果.  日本外科系連合学会誌  37 (2) :171-175 , 2012
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■ 著書
1. 佐川まさの:  胃を切った方の快適な食事と生活のために.  ALPHA CLUB  2-3.  アルファ・クラブ,  東京, 2013.3
2. 佐川まさの:  胃を切った方の快適な食事と生活のために.  ALPHA CLUB  2-3.  アルファ・クラブ,  東京, 2013.2
3. 勝部隆男:  Ⅶ.腹痛 
4.麻痺性イレウス.  経静脈治療オーダーマニュアル  176-183.  株式会社大塚製薬工場,  日本, 2013.2
4. 吉松和彦:  食道疾患用語解説集.  食道疾患用語解説集【第2版】  1-251.  金原出版株式会社,  東京, 2012.6
5. 佐川まさの:  公衆衛生学.  食物と栄養学基礎シリーズ1 公衆衛生学  80-102.  株式会社 学文社,  東京, 2012.4
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■ 学会発表
1. ◎Naritaka Yoshihiko, Shimakawa Takeshi, Asaka Shinichi, Isohata Noriyuki, Yamaguchi Kentaro, Usuda Atsuko, Murayama Minoru, Katsube Takao, Shiozawa Shunichi, Yokomizo Hajime, Yoshimatsu Kazuhiko, Ogawa Kenji: Effectiveness of the niti-stm esophageal stent placed for the treatment of nalignant esophageal stricture.  Abstracts Presented at The 13th World Congress of the International Society for Diseases of the Esophagus,  Itary,  2012/10
2. ◎Simakawa Takeshi, Naritaka Yoshihiko, Asaka Shinichi, Yamaguchi Kentaro, Murayama Minoru, Katsube Takao, Miyaki Akira, Isohata Noriyuki, Shiozawa Shunichi, Yokomizo Hajime, Yokomizo Hajime, OGAWA Kenji: Granulocyte-colony stimulating factor (G-CSF) -producing esophageal spuamous cell carcinoma. A case report.  Abstracts Presented at The 13th World Congress of the International Society for Diseases of the Esophagus,  Italy,  2012/10
3. ◎Endo Mithugu, Naritaka Yoshihiko, Simakawa Takeshi, Asaka Shinichi, Isohata Noriyuki, Yamaguchi Kentaro, Murayama Minoru, Usuda Atsuko, Miyaki Akira, Konno Soichi, Shiozawa Shunichi, Yoshimatsu Kazuhiko, Katsube Takao, Ogawa Kenji: Acase of Iymphography which was useful to recover from chylothorax after esophagectomy.  Abstracts Presented at The 13th World Congres of the International Society for Diseases of the Esophagus,  Italy,  2012/10
4. ◎Asaka Shinichi, Naritaka Yoshihiko, Isohata Noriyuki, Shimakawa Takeshi, Usuda Atsuko, Miyaki Akira, Murayama Minoru, Yamaguchi Kentaro, Katsube Takao, Shiozawa Shunichi, Yoshimatsu Kazuhiko, Ogawa Kenji: DCF therapy for advanced and recurrent esophageal cancer.  Abstracts Presented at The 13th World Congress of the International Society for Diseases of the Esophagus,  Italy,  2012/10
5. ◎Naritaka Yoshihiko, Sagawa Masano, Shimakawa Takeshi, Isohata Noriyuki, Asaka Shinichi, Yamaguchi Kentaro, Usuda Atsuko, Murayama Minoru, Katsube Takao, Yokomizo Hajime, Shiozawa Shunichi, Ogawa Kenji: A study of nutritional screening prior to surgical treatment of esophageal cancer.  Abstracts Presented at The 13th World Congress of the International Society for Diseases of the Esophagus,  Itary,  2012/10
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  :Corresponding Author
 :筆頭者
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