<<< 前 2022年度 2023年度 2024年度
 輸血・細胞プロセシング科
概要 当該年度の研究費受入状況 学術雑誌
著書 学会発表


教授:
   下平 滋隆
准教授:
   槍澤 大樹
講師:
   下島 圭子
■ 概要
輸血・細胞プロセシング科の研究課題とその進捗状況
輸血医学は血液学、免疫学、遺伝学の要素を包含する臨床医学の一分野である。当科の研究課題は以下の3つに大別される。
1)血液製剤の適正使用推進に寄与する新規技術の導入
 当院の血液製剤使用量は心臓血管外科領域の手術、腎臓・肝臓・心臓・膵臓移植術などの症例数が多いことから、我が国の医療機関のなかでも極めて多いのが特徴である。血液製剤の適正使用を進めて製剤使用量を削減するために、クリオ・プレシピテートの院内調製や難治性腹水患者に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)における腹水の冷蔵・冷凍技術開発を行っている。
2)新規細胞療法の開発と臨床応用
 本学と京都大学が共同開発した、ピロリン酸抗原によるex vivo自己γδ型T細胞の増幅技術を用いた泌尿器科悪性腫瘍に対するがん免疫細胞療法の臨床応用を支援し、更なる治療成績改善のための新技術開発を模索している。また、間葉系幹細胞を用いた先天性筋疾患に対する遺伝子治療・細胞療法の開発に関する基礎研究、自己iPS細胞を用いた遺伝子治療および造血幹細胞移植術の開発研究を実施している。
 間葉系幹細胞やiPS細胞の臨床応用を間近に控え、輸血医学にも大きく変貌していく時代が到来しているため、先端的医科学の進歩をベッドサイドに届けるための橋渡し的な役割を担う人材の養成を目指している。
3)先天性血液疾患に関する新規バイオマーカー・病因遺伝子の同定とその臨床応用
 当科は原因不明の先天性溶血性貧血症例に関する生化学的・遺伝学的検査に関して、我が国のセンター的役割を果たしている。更に厚労省研究班の枠組みのなかで、ダイアモンド・ブラックファン貧血に関する生化学的バイオマーカーを同定し、現在前向き研究を通じて、その臨床的有用性を検討している。先天性溶血性貧血の新規病因遺伝子をエクソーム解析で同定し、我が国の小児血液・血液内科臨床のなかでの診断ガイドライン策定に寄与している。
ページの先頭へ
■ 当該年度の研究費受入状況
ページの先頭へ
■ 当該年度研究業績数一覧表
学術雑誌 著書 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
筆 頭Corresponding
Author
共 著筆 頭Corresponding
Author
共 著 筆 頭共 著筆 頭共 著 演 者共 演演 者共 演 演 者共 演
 1 1 0 3 0 1  0 0 0 1  0 6  0 0  0 0
ページの先頭へ
■ 学術雑誌
原著
1. Shimojima Yamamoto K, Shimomura R, Shoji H, Yamamoto T*:  Glass syndrome derived from chromosomal breakage downstream region of SATB2.  Brain and Development  46 (9) :281-285 , 2024.10   DOI:10.1016/j.braindev.2024.06.003 Link
2. Tamura T, Shimojima Yamamoto K, Tohyama J, Morioka I, Kanno H, Yamamoto T*:  Reciprocal chromosome translocation t(3;4)(q27;q31.2) with deletion of 3q27 and reduced FBXW7 expression in a patient with developmental delay, hypotonia and seizures.  Journal of Human Genetics  in press :in press , 2024.8   DOI:10.1038/s10038-024-01286-x Link
総説及び解説
1. 山本圭子, 山本俊至:  マイクロアレイ染色体検査の基本を学ぼう!.  小児科診療  87 (11) :1489-1495 , 2024.11
症例報告
1. Shimojima Yamamoto K, Yamamoto S, Taichi Imaizumi T, Kumada S, Yamamoto T*:  Uniparental maternal tetrasomy X co-occurrence with paternal non-disjunction: Investigation of the origin of 48,XXXX.  Human Genome Variation  11 :31 , 2024.8   DOI:10.1038/s41439-024-00289-6 Link
2. Shimojima Yamamoto K, Itagaki Y, Tanaka K, Okamoto N, Yamamoto T*:  Xq22 deletion involving TCEAL1 in a female patient with early-onset neurological disease trait.  Human Genome Variation  11 :20 , 2024.5   DOI:10.1038/s41439-024-00278-9 Link
ページの先頭へ
■ 著書
1. Tamura T, Imaizumi T, Shimojima Yamamoto K, Yamamoto T:  Chapter 24: Genomic Copy Number Analysis Using Droplet Digital PCR: A Simple Method with EvaGreen Single-Color Fluorescent Design.  Cerebral Cortex Development-Methods and Protocols  293-304.  Springer Nature,  Hertfordshire, UK, 2024.4 Link
ページの先頭へ
■ 学会発表
1. ◎下村里奈, 柳下友映, 石黒久美子, 七字美延, 佐藤孝俊, 山本下島圭子, 石垣景子, 永田智, 山本俊至: A novel RYR1 variant in a congenital myopathy patient is associated with autosomal recessive trait.  日本人類遺伝学会第69回大会,  札幌,  2024/10
2. ◎山本俊至, 山本下島圭子, 山本櫻子, 熊田聡子, 今泉太一: Uniparental maternal tetrasomy X co-occurrence with paternal non-disjunction: Investigation of the origin of 48,XXXX.  日本人類遺伝学会第69回大会,  札幌,  2024/10
3. 田村豪良, 下澤克宣, 金澤剛二, 伊東正剛, 中原衣里,菜, 角光一郎, 森史, 梅村啓史, 下島圭子, 谷ヶ崎博, 中山智祥, 山本俊至, 森岡一朗: A case of fetal-onset atypical teratoid/rhabdoid tumor with a heterozygous germline SMARCB1 loss-of-funstion alteration.  日本人類遺伝学会第69回大会,  札幌,  2024/10
4. ◎山本圭子, 下村里奈, 東海林宏道, 山本俊至: Glass syndrome derived from chromosomal breakage downstream region of SATB2.  日本人類遺伝学会第69回大会,  札幌,  2024/10
5. ◎柳下友映, 小川優里子, 下村里奈, 山本圭子, 永田美保, 石原康貴, 平澤恭子, 永田智, 朝野仁裕, 山本俊至: A rare de novo CHD1 variant in a patient with Rett-like neurodevelopmental disorder.  日本人類遺伝学会第69回大会,  札幌,  2024/10
全件表示(6件)
ページの先頭へ
  :Corresponding Author
 :筆頭者
◎:発表者