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 呼吸器外科
概要 当該年度の研究費受入状況 学術雑誌
著書 学会発表


教授:
   神崎 正人
准教授:
   村杉 雅秀
講師:
   井坂 珠子
   小山 邦広
助教:
   吉川 拓磨
   坂本 圭
   前田 英之
   松本 卓子
   宮野 裕
   葭矢 健仁
■ 概要
2012年度講座概要
当科における年間手術症例数は約390例.内訳は原発性肺癌120例、転移性肺腫瘍50例、良性肺腫瘍20例、縦隔腫瘍40例、気胸・肺嚢胞70例、膿胸20例、その他に重症筋無力症、漏斗胸、心大血管疾患を含め80例である。7割の手術を胸腔鏡下に行っている。
下記の項目を中心に据え、研究を行っている。
早期末梢肺癌に対する治療:未確診の小型肺腫瘍に対して、術中迅速病理診断により早期診断し,病理診断結果に基づき、適切な術式の決定を行い治療している。術前画像所見により、腫瘤が比較的肺門部近くに存在している場合、組織診断の確定している小型肺癌に対する術式としては、肺の区域、亜区域切除で対応しなければならないが、区域、多亜区域レベルでは、肺血管、気管支の分岐は多様である。胸腔鏡が主体となった呼吸器外科手術では、腫瘍の遺残をなくし、出血などの術中合併症を回避し、安全・確実な手術を遂行するために、手術前 の肺三次元的解剖を明らかにする必要性が高まっている。我々は、CTからポリゴンを作成するソフト(CTTRY)を開発し、肺の解剖を忠実に再現するシステムを導入してきた。上記ソフトにより、術前に肺門の解剖を完全に把握後、胸腔鏡下に、短時間で、侵襲をより少ない形で、区域・亜区域切除を施行している。
間質性肺炎合併肺癌に対する対応:肺癌術後間質性肺炎の急性増悪は致死的術後合併症となる場合があり、2001年より、prospective studyとして呼吸器内科と共同で、既往歴、CT、肺機能、血液検査などから、1000例以上の全肺癌症例において、術後間質性肺炎急性増悪する可能性のある症例を術前にフィルタリング(全症例の約5%)をしており、それらの症例に対して、予防的酵素阻害剤投与、及び、厳重な周術期管理により急性増悪の早期発見、迅速な治療など集学的に対応している。5%以外のフィルタリングから逸脱した症例に間質性肺炎急性増悪による死亡例はなく、また、5%の症例の中には死亡例を認めるが明らかに2001年以前の間質性肺炎急性増悪症例と比較すると、死亡率は3%から0.4%と著明に減少している。
手術後の気管支瘻、肺瘻に対する人工材料、生体材料、再生医療の応用:肺切除時の葉間、区域間、亜区域間の処理に様々な人工材料、生体材料が現在使用されある程度の成績は残しているが、各材料の生体反応性、術後中長期の問題点など改善すべき点も多い。これらの問題を解決すべく、新しい素材として細胞シートの研究を行っている。そして、細胞シートによる肺の再生を実現するための再生医療を目的とした研究も合わせておこなっている。
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■ 当該年度の研究費受入状況
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■ 当該年度研究業績数一覧表
学術雑誌 著書 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
筆 頭Corresponding
Author
共 著筆 頭Corresponding
Author
共 著 筆 頭共 著筆 頭共 著 演 者共 演演 者共 演 演 者共 演
 1 0 1 3 3 2  0 2 0 0  16 6  0 0  0 0
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■ 学術雑誌
原著
1. Meada Hideyuki, Kanzaki Masato, Sakamoto Kei, Isaka Tamami, Yamazaki Kenji, Onuki Takamasa:  Surgery for non ‑ small cell lung cancer in patients with a history of cardiovascular surgery.  Surgery Today  47 (3) :284-292 , 2017.3   DOI:10.1007/s00595-016-1386-5
2. Sakamoto Kei, Kanzaki Masato, Mitsuboshi Shota, Maeda Hideyuki, Kikkawa Takuma, Isaka Tamami, Murasugi Masahide, Onuki Takamasa:  A novel and simple method for identifying the lung intersegmental plane using thermography.  Interactive cardiovascular and thoracic surgery  23 (1) :171-173 , 2016.7   DOI:10.1093/icvts/ivw076
3. Onuki Takamasa, Kanzaki Masato, Wachi Naoko, Isaka Tamami, Sakamoto Kei, Maeda Hideyuki, Oyama Kunihiro, Murasugi Masahide:  Do the lung segments exist continuously from the early stage of the embryonic period as units?.  Interactive cardiovascular and thoracic surgery  23 (1) :26-30 , 2016.7   DOI:10.1093/icvts/ivw030
4. Maeda Hideyuki, Kanzaki Masato, Sakamoto Kei, Isaka Tamami, Yamazaki Kenji, Onuki Takamasa:  Surgery for non-small cell lung cancer in patients with a history of cardiovascular surgery.  Surgery today  :1-9 , 2016.7   DOI:10.1007/s00595-016-1386-5
5. Miyano Yutaka, Kanzaki Masato, Obara Tetsuya, Onuki Takamasa:  Fabricated bronchial artery embolization for hemoptysis using a coil.  Asian cardiovascular & thoracic annals  24 (5) :445-449 , 2016.6   DOI:10.1177/0218492316643843
総説及び解説
1. 山口隆介, 世川修, 村杉雅秀:  気胸術後再発.  小児外科  (48) :938-939 , 2016
症例報告
1. ISHIZAKI Umiko, ITO Reiko, MATSUO Yuka, YAMADA Takeshi, TAMAOKI Jun, ONUKI Takamasa, ITAGAKI HIROKO, SAKAI Shuji:  Diffuse idiopathic pulmonary neuroendocrine cell hyperplasia.  Journal of thoracic imaging  31 (6) :76-79 , 2016.11   DOI:10.1097/RTI.0000000000000240
その他
1. 神崎 正人:  組織工学がもたらす新たな呼吸器外科治療.  未来医学  (30) :32-34 , 2017.3
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■ 著書
1. 神崎正人:  肺がんの診断と治療.  週刊文春3月2号  115.  週間文春,  東京, 2017.3
2. 100名:  手術用シーラント材・癒着防止材の利便化向上を目指した製品開発.  手術用シーラント材・癒着防止材の利便化向上を目指した製品開発  359-364.  技術情報協会,  東京, 2016
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■ 学会発表
1. ◎荻原哲, 井坂珠子, 片桐さやか, 前田英之, 坂本圭, 松本卓子, 小山邦広, 村杉雅秀, 神崎正人: 気泡時間が手術の決め手となった一例.  第173回日本胸部外科学会関東甲信越地方会,  東京,  2017/03
2. ◎高木亮, 神崎正人, 鷲尾薫, 大和雅之, 清水達也: 肺気漏防止を目的としたヒト皮膚由来培養線維芽細胞シーラントの製造方法の確立.  第16回日本再生医療学会総会,  仙台,  2017/03
3. ◎神崎正人, 高木亮, 鷲尾薫, 井坂珠子, 松本卓子, 吉川拓磨, 前田英之, 清水達也, 大和雅之: 自己皮膚由来培養線維芽細胞シートを用い肺気漏閉鎖を行った肺嚢胞症の1例.  第16回日本再生医療学会総会,  仙台,  2017/03
4. 光星 翔太, 松本 卓子, 佐野 恵美, 今泉 理枝, 浅香 晋一, 伊藤 嘉智, 小池 太郎, 吉松 和彦, 神崎 正人: 体表アプローチで切除可能であった同一肋間に多発発生した神経鞘腫の1例.  第29回日本内視鏡外科学会総会,  横浜,  2016/12
5. ◎橋口浩実, 徳光宏紀, 岡本高宏, 前田英之, 神崎正人, 長嶋洋治: 過剰腺に生じた縦隔副甲状腺腫の1例.  日本臨床外科学会第843回集談会,  越谷,  2016/12
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  :Corresponding Author
 :筆頭者
◎:発表者