<<< 前 2016年度 2017年度 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 次 >>>
 呼吸器外科
概要 当該年度の研究費受入状況 学術雑誌
学会発表


教授:
   神崎 正人
准教授:
   村杉 雅秀
講師:
   井坂 珠子
   小山 邦広
   松本 卓子
助教:
   青島 宏枝
   片桐 さやか
   吉川 拓磨
   坂本 圭
   前田 英之
   宮野 裕
   葭矢 健仁
■ 概要
2012年度講座概要
当科における年間手術症例数は約390例.内訳は原発性肺癌120例、転移性肺腫瘍50例、良性肺腫瘍20例、縦隔腫瘍40例、気胸・肺嚢胞70例、膿胸20例、その他に重症筋無力症、漏斗胸、心大血管疾患を含め80例である。7割の手術を胸腔鏡下に行っている。
下記の項目を中心に据え、研究を行っている。
早期末梢肺癌に対する治療:未確診の小型肺腫瘍に対して、術中迅速病理診断により早期診断し,病理診断結果に基づき、適切な術式の決定を行い治療している。術前画像所見により、腫瘤が比較的肺門部近くに存在している場合、組織診断の確定している小型肺癌に対する術式としては、肺の区域、亜区域切除で対応しなければならないが、区域、多亜区域レベルでは、肺血管、気管支の分岐は多様である。胸腔鏡が主体となった呼吸器外科手術では、腫瘍の遺残をなくし、出血などの術中合併症を回避し、安全・確実な手術を遂行するために、手術前 の肺三次元的解剖を明らかにする必要性が高まっている。我々は、CTからポリゴンを作成するソフト(CTTRY)を開発し、肺の解剖を忠実に再現するシステムを導入してきた。上記ソフトにより、術前に肺門の解剖を完全に把握後、胸腔鏡下に、短時間で、侵襲をより少ない形で、区域・亜区域切除を施行している。
間質性肺炎合併肺癌に対する対応:肺癌術後間質性肺炎の急性増悪は致死的術後合併症となる場合があり、2001年より、prospective studyとして呼吸器内科と共同で、既往歴、CT、肺機能、血液検査などから、1000例以上の全肺癌症例において、術後間質性肺炎急性増悪する可能性のある症例を術前にフィルタリング(全症例の約5%)をしており、それらの症例に対して、予防的酵素阻害剤投与、及び、厳重な周術期管理により急性増悪の早期発見、迅速な治療など集学的に対応している。5%以外のフィルタリングから逸脱した症例に間質性肺炎急性増悪による死亡例はなく、また、5%の症例の中には死亡例を認めるが明らかに2001年以前の間質性肺炎急性増悪症例と比較すると、死亡率は3%から0.4%と著明に減少している。
手術後の気管支瘻、肺瘻に対する人工材料、生体材料、再生医療の応用:肺切除時の葉間、区域間、亜区域間の処理に様々な人工材料、生体材料が現在使用されある程度の成績は残しているが、各材料の生体反応性、術後中長期の問題点など改善すべき点も多い。これらの問題を解決すべく、新しい素材として細胞シートの研究を行っている。そして、細胞シートによる肺の再生を実現するための再生医療を目的とした研究も合わせておこなっている。
ページの先頭へ
■ 当該年度の研究費受入状況
ページの先頭へ
■ 当該年度研究業績数一覧表
学術雑誌 著書 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
筆 頭Corresponding
Author
共 著筆 頭Corresponding
Author
共 著 筆 頭共 著筆 頭共 著 演 者共 演演 者共 演 演 者共 演
 2 0 0 2 4 1  0 0 0 0  24 8  1 2  6 6
ページの先頭へ
■ 学術雑誌
原著
1. ARIMURA Ken, TAGAYA Etsuko, AKAGAWA Hiroyuki, NAGASHIMA Yoji, SHIMIZU Satoru, ATSUMI Yoshihide, SATO Akitoshi, KANZAKI Masato, KONDO Mitsuko, TAKEYAMA Kiyoshi, Pierre P. Massion, TAMAOKI Jun:  Cryobiopsy with endobronchial ultrasonography using a guide sheath for peripheral pulmonary lesions and DNA analysis by next generation sequencing and rapid on-site evaluation.  Respiratory investigation  57 (2) :150-156 , 2019.3   DOI:10.1016/j.resinv.2018.10.006
症例報告
1. Mistsuboshi Shota, Maeda Hideyuki, Kanzaki Masato:  Video-assisted thoracic surgery for pleuroperitoneal communication.  Surgical Case Reports  5 (1) :34-34 , 2019.2   DOI:10.1186/s40792-019-0595-8.
2. Mitsuboshi Shota, Maeda Hideyuki, Kanzaki Masato:  Video-assisted thoracic surgery for pleuroperitoneal communication.  Surgical case reports  5 (1) :34 , 2019.2   DOI:10.1186/s40792-019-0595-8
3. Sakamoto K, Kanzaki M.:  A successful surgical repair of intraoperative pneumothorax and the diffuse dissection of visceral pleura during liver transplantation surgery via trans- diaphragmatic approach.  Surgical Case Reports  5 (1) :7-7 , 2019.1   DOI:10.1186/s40792-019-0568-y.
4. SAKAMOTO Kei, OGIHARA Akira, MITSUBOSHI Shota, MAEDA Hideyuki, MATSUMOTO Takako, ISAKA Tamami, MURASUGI Masahide, OMORI Akiko, KOTERA Yoshihito, EGAWA Hiroto, YAMAMOTO Masakazu, KANZAKI Masato*:  A successful surgical repair of intraoperative pneumothorax and the diffuse dissection of visceral pleura during liver transplantation surgery via trans-diaphragmatic approach.  Surgical Case Reports  2019 (5) :1-7 , 2019.1   DOI:https://doi.org/10.1186/s40792-019-0568-y Link
その他
1. 神崎 正人:  まい・てくにっく 左#4,#5郭清時における反回神経温存のコツ.  胸部外科  72 (3) :183 , 2019.3   DOI:10.15106/j_kyobu72_182
2. 前田英之, 神崎正人:  7.被覆(補強)材料.  胸部外科 胸部外科を支えるテクノロジーup to date  71 (10) :755-758 , 2018.9
ページの先頭へ
■ 学会発表
1. ◎HORISE Yuki, KANZAKI Masato, ISEKI Hiroshi, MASAMUNE Ken, MURAGAKI Yoshihiro: Proposal for a new surgical device based on the concept of virtual incision for thoracoscopic surgery.  40th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society,  Hawaii, USA,  2018/07
2. ◎HORISE Yuki, KANZAKI Masato, ISEKI Hiroshi, MASAMUNE Ken, MURAGAKI Yoshihiro: Proposal for a New Surgical Device based on the Concept of Virtual Incision for Thoracoscopic Surgery.  40th International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society,  Honolulu, Hawaii ,U.S.A,  2018/07
3. SAKAMOTO Kei, MITSUBOSHI Shota, KATAGIRI Sayaka, MAEDA Hideyuki, MATSUMOTO Takako, ISAKA Tamami, OYAMA Kunihiro, MURASUGI Masahide, KANZAKI Masato: A noninvasive visualizing technique of the lung intersegmental plane using infrared thermography.  26th ESTS MEETING,  Ljubljana, Slovenia,  2018/05
4. ◎光星翔太, 関根秀一, 本間順, 清水達也, 神崎正人: ラット肺胞上皮細胞シート移植による肺胞構造の再生に関する検討.  第18回日本再生医療学会,  兵庫県神戸市,  2019/03
5. 神崎正人, 高木 亮 ,光星 翔太, 井坂珠子,清水 達也, 大和 雅之: 自己皮膚由来培養線維芽細胞シートを用いた肺気漏閉鎖.  第18回 日本再生医療学会総会,  神戸,  2019/03
全件表示(47件)
ページの先頭へ
  :Corresponding Author
 :筆頭者
◎:発表者