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 輸血・細胞プロセシング科
概要 当該年度の研究費受入状況 学術雑誌
著書 学会発表


教授:
   菅野 仁
講師:
   小林 博人
助教:
   槍澤 大樹
■ 概要
輸血・細胞プロセシング科の研究課題とその進捗状況
輸血医学は血液学、免疫学、遺伝学の要素を包含する臨床医学の一分野である。当科の研究課題は以下の3つに大別される。
1)血液製剤の適正使用推進に寄与する新規技術の導入
 当院の血液製剤使用量は心臓血管外科領域の手術、腎臓・肝臓・心臓・膵臓移植術などの症例数が多いことから、我が国の医療機関のなかでも極めて多いのが特徴である。血液製剤の適正使用を進めて製剤使用量を削減するために、クリオ・プレシピテートの院内調製や難治性腹水患者に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)における腹水の冷蔵・冷凍技術開発を行っている。
2)新規細胞療法の開発と臨床応用
 本学と京都大学が共同開発した、ピロリン酸抗原によるex vivo自己γδ型T細胞の増幅技術を用いた泌尿器科悪性腫瘍に対するがん免疫細胞療法の臨床応用を支援し、更なる治療成績改善のための新技術開発を模索している。また、間葉系幹細胞を用いた先天性筋疾患に対する遺伝子治療・細胞療法の開発に関する基礎研究、自己iPS細胞を用いた遺伝子治療および造血幹細胞移植術の開発研究を実施している。
 間葉系幹細胞やiPS細胞の臨床応用を間近に控え、輸血医学にも大きく変貌していく時代が到来しているため、先端的医科学の進歩をベッドサイドに届けるための橋渡し的な役割を担う人材の養成を目指している。
3)先天性血液疾患に関する新規バイオマーカー・病因遺伝子の同定とその臨床応用
 当科は原因不明の先天性溶血性貧血症例に関する生化学的・遺伝学的検査に関して、我が国のセンター的役割を果たしている。更に厚労省研究班の枠組みのなかで、ダイアモンド・ブラックファン貧血に関する生化学的バイオマーカーを同定し、現在前向き研究を通じて、その臨床的有用性を検討している。先天性溶血性貧血の新規病因遺伝子をエクソーム解析で同定し、我が国の小児血液・血液内科臨床のなかでの診断ガイドライン策定に寄与している。
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■ 当該年度の研究費受入状況
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■ 当該年度研究業績数一覧表
学術雑誌 著書 学会発表 その他
発表
和文英文 和文英文 国内国際
筆 頭Corresponding
Author
共 著筆 頭Corresponding
Author
共 著 筆 頭共 著筆 頭共 著 演 者共 演演 者共 演 演 者共 演
 1 1 9 0 0 6  0 10 0 0  0 32  0 4  0 1
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■ 学術雑誌
原著
1. KONDO Tsunenori*, HARA Isao, TAKAGI Toshio, KODAMA Yoshiki, HASHIMOTO Yasunobu, KOBAYASHI Hirohito, IIZUKA Junpei, OMAE Kenji, IKEZAWA Eri, YOSHIDA Kazuhiko, TANABE Kazunari:  Possible role of template-based lymphadenectomy in reducing the risk of regional node recurrence after nephroureterectomy in patients with renal pelvic cancer.  Japanese Journal of Clinical Oncology  44 (12) :1233-1238 , 2014.12   DOI:10.1093/jjco/hyu151
2. Wang R, Yoshida K, Toki T, Sawada T, Uechi T, Okuno Y, Sato-Otsubo A, Kudo K, Kamimaki I, Kanezaki R, Shiraishi Y, Chiba K, Tanaka H, Terui K, Sato T, Iribe Y, Ohga S, Kuramitsu M, Hamaguchi I, Ohara A, Hara J, Goi K, Matsubara K, Koike K, Ishiguro A, Okamoto Y, Watanabe K, Kanno H, Kojima S, Miyano S, Kenmochi N, Ogawa S, Ito E:  Loss of function mutations in RPL27 and RPS27 identified by whole-exome sequencing in Diamond-Blackfan anaemia.  British journal of haematology  168 :854-864 , 2014.11   DOI:10.1111/bjh.13229
3. IKEZAWA Eri*, KONDO Tsunenori, HASHIMOTO Yasunobu, KOBAYASHI Hirohito, IIZUKA Junpei, TAKAGI Toshio, OMAE Kenji, TANABE Kazunari:  Clinical symptoms predict poor overall survival in chronic-dialysis patients with renal cell carcinoma associated with end-stage renal disease.  Japanese journal of clinical oncology  44 (11) :1096-1100 , 2014.11   DOI:10.1093/jjco/hyu117
4. 岡本好雄, 槍澤大樹, 小林博人, 小倉浩美, 菅野仁:  自己血漿製剤という観点から見たCART.  日本アファレシス学会誌  33 (3) :178-184 , 2014.10
5. 守屋 友美, 岡本 好雄, 小林 博人, 松田 和樹, 久保田 友晶, 緒方 康貴, 及川 美幸, 李 舞香, 木下 明美, 青木 貴子, 千野 峰子, 岡田 真一, 高源 ゆみ, 青木 正弘, 中林 恭子, 今野 マユミ, 槍澤 大樹, 小倉 浩美, 菅野 仁:  ABO血液型不適合腎移植におけるアルブミン製剤の必要性.  日本輸血細胞治療学会誌  60 (4) :521-526 , 2014.8   DOI:10.3925/jjtc.60.521
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総説及び解説
1. 菅野仁:  【小児血液疾患 -よくわかる最新知見-】 貧血 溶血性貧血 赤血球酵素異常症.  小児科  55 (11) :1527-1531 , 2014
2. 菅野仁:  先天性溶結性貧血の病型および鑑別診断法の進歩と今後の課題.  日本小児血液・がん学会雑誌  51 (5) :446-451 , 2014
症例報告
1. 石井瑠美*, 近藤恒徳, 大前憲史, 飯塚淳平, 小林博人, 田邉一成:  転移性腎細胞癌に対しSequential therapyにより長期病勢コントロールの得られている高齢透析患者の1例.  泌尿器外科  27 (別冊) :119-120 , 2014.5
その他
1. 菅野仁, 小倉浩美:  KLF1 遺伝子変異は複数の赤血球特異的遺伝子発現の異常を伴う重症先天性溶血性貧血を惹起する.  東京女子医科大学総合研究所紀要  34 :104-105 , 2014
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■ 著書
1. 菅野仁:  赤血球酵素活性.  スタンダード検査血液学第3版 日本検査血液学会編  96-99.  医歯薬出版,  東京, 2014.9
2. 内山智貴, 菅野仁:  【いまさら聞けない『遺伝医学』】ゲノム薬理学は臨床でどのように使われているのか?がん治療では?.  いまさら聞けない『遺伝医学』  0000-0000.  メディカルドゥ,  大阪, 2014.4
3. 小林博人:  腎癌の分子生物学 癌の分子生物学.  腎癌のすべて  11-18.  メジカルビュー社,  東京, 2014.4
4. 小林博人:  腎癌の診断 腎癌の遺伝子診断.  腎癌のすべて  122-125.  メジカルビュー社,  東京, 2014.4
5. 小林博人:  腎癌の分子生物学 染色体異常と腎癌.  腎癌のすべて  24-28.  メジカルビュー社,  東京, 2014.4
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■ 学会発表
1. ◎菅野仁: 新生児・乳児の貧血 新生児・乳児期に発症する先天性溶血性貧血の病院と診断.  第24回日本産婦人科・新生児血液学会,  横浜,  2014/06
2. ◎FUKUDA Hironori, KONDO Tsunenori, OMAE Kenji, KOBAYASHI Hirohito, IIZUKA Junpei, TANABE Kazunari: Limited benefit of targeted therapies on ivc thrombus in renal cell carcinoma.  American Urological Association Annual Meetint 2014,  Orlando, FL, USA,  2014/05
3. ◎OMAE Kenji, KONDO Tsunenori, YOSHIDA Kazuhiko, TAKAGI Toshio, IIZUKA Junpei, KOBAYASHI Hirohito, HASHIMOTO Yasunobu, TANABE Kazunari: Risk factors and management of unruptured renal artery pseudoaneurysms immediately after laparoscopic partial Nephrectomy.  American Urological Association Annual Meetint 2014,  Orlando, FL, USA,  2014/05
4. ◎OMAE Kneji, KONDO Tsunenori, YOSHIDA Kazuhiko, TAKAGI Toshio, KOBAYASHI Hirohito, HASHIMOTO Yasunobu, TANABE Kazunari: High preoperative C-reactive protein values predict poor survival in patients on chronic hemodialysis undergoing nephrectomy for renal cancer.  American Urological Association Annual Meetint 2014,  Orlando, FL, USA,  2014/05
5. ◎島田吉基, 近藤恒徳, 高木敏男, 飯塚淳平, 飯田祥一, 大前憲史, 小林博人, 田邉一成: 画像上腎囊胞腫瘍の所見を示したnon-neplasticystの一例.  第616回日本泌尿器科学会東京地方会,  東京,  2014/12
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  :Corresponding Author
 :筆頭者
◎:発表者