スズキ ミツヨ   SUZUKI MITSUYO
  鈴木 光代
   所属   その他 その他
   職種   非常勤嘱託
言語種別 日本語
発表タイトル 英語の”謝罪”のストラテジーを学ぶ---映像英語を通した語用論見地からの考察
会議名 第23回映画英語教育学会全国大会
主催者 映画英語教育学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎鈴木光代, 越智希美子
発表年月日 2017/11/11
開催地
(都市, 国名)
小樽市、日本
概要 <背景・目的>
英語を外国語として学ぶ日本人に見られる speech acts の研究の一環として、いままで「異論を
唱える」「苦情を言う」といった speech acts の適切な論理展開を研究してきたが、今回はその
応答の一つとして「謝罪」の speech act に焦点をあててみた。本発表の目的は、特に、日本人と
英語母語話者との「謝罪」のストラテジーの違いに注目し、どのような要因がストラテジーの
選択に影響を及ぼしているかを、映像英語の分析を通して明らかにする事とそれをどのように
英語教育の現場に生かせるかを示す事である。
<方法>
大学の一般教育の英語の授業(1、2年生)において、学生たちに「謝罪」をしなければなら
ない状況を複数与え、それにどのように回答するかを書いてもらった。与えた状況は、それぞ
れ性別、社会的地位、状況の重大さなどの違いを考慮して作成している。回答は Fraser (1981)
のストラテジーに従って分析し、さらに“適切さ”の観点からも考察してみた。その後、授業で
は、類似する状況の映像を利用して英語表現およびストラテジーを学ばせ、自分たちの回答と
英語母語話者とのストラテジーの違いに注目させた。
<結果>
日本人学生の回答の分析結果を英語母語話者が「謝罪」する時のストラテジーと鑑みた結果、
日本人学生の方がより間接的な「謝罪」のストラテジーを選んでいること、またストラテジー
を選ぶ際に、対話者との社会的地位などの社会的文化的差違により敏感になっていることがわ
かった。さらに、日本人学生でも英語能力の低い学生の方が、ストラテジーを上手く使うこと
ができず、それゆえ、対話者との間に誤解を生じやすいことが明らかになった。そこで、この
結果をふまえ、英語教育の場では、まず、「謝罪」に必要な語用論的工夫(緩和表現や遺憾の
表現など)を、映像を通して学ばせ、その状況に適切なストラテジーに選んで運用出来るような演習を実践した。