トミザワ ヤスコ   TOMIZAWA Yasuko
  冨澤 康子
   所属   その他 その他
   職種   非常勤嘱託
言語種別 日本語
発表タイトル 女性外科医の妊娠出産の現状と問題点,改善点は何か
会議名 第119回日本外科学会定期学術集会
主催者 日本外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
発表者・共同発表者◎川瀬和美, 野村恭子, 田口智章, 野村幸世, 明石定子, 小川朋子, 柴崎郁子, 島田光男, 竹下惠美子, 冨澤康子, 花崎和弘, 葉梨智子, 山内英子, 山下啓子, 中村清吾
発表年月日 2019/04/20
開催地
(都市, 国名)
大阪府大阪市
概要 *サージカルフォーラム(74)男女共同参画

【はじめに】女性外科医がキャリアを積み活躍していく中で、妊娠・出産というライフイベントは重要だが、我が国の女性外科医の妊娠出産の実態は明らかでない。
【目的と方法】女性外科医の妊娠・出産に対する希望、職場環境と妊娠・出産の実態、合併症、ハラスメントを明らかにする目的で、2018 年 3 月末~5 月 日本外科学会女性会員全員(3570 名)を対象に、インターネット経由のウェブアンケート調査を施行した。回答は無記名で返信され、匿名化されたデータを解析した。
【結果】総回答数は 1068(回答率 30 %)で、回答中断 37、回答同意せず 20 を除き 1015名を対象とした。回答者の平均年齢は 37.6 歳(25-69 歳)で 71 %が外科専門医を取得していた。所属施設は一般病院 52 %、勤務形態は常勤フルタイム73%、専門分野は乳腺内分泌 34 %、週平均労働時間は 40-49.5 時間 32 %、が最も多い回答だった。婚姻状況は既婚61 %、未婚 36 %で、平均結婚年齢 30.7 歳だった。子供のいる割合は 47 %、子供の数は平均 1.7 人(1-4 人)だった。理想の結婚時期はいつでもよい 33 %、理想の出産時期は専門医取得後28 %が最多で、子供を持つ人はより専門医取得後の出産を選択する割合が多かった。職場で妊娠出産を歓迎されない発言をされた経験を持つ割合は 62% と高率で、半数がセクシャルハラスメントを、42 %がマタニティハラスメントを経験していた。また、不妊治療も 20% が経験し、そのうち 63 %はそのまま常勤フルタイムで治療を行っていた。妊娠したが分娩に至らなかった経験も 28 %で、妊娠合併症は 32%、分娩時の異常も 18 %に認められた。
【考察とまとめ】女性外科医が妊娠出産に関し苦労している実態を理解し、今後は我が国の女性外科医がより安全に健やかに次世代を育てつつその能力を十分に発揮していくための改善点や方策を積極的に考えるべきである。