ハギワラ ノブヒサ   Nobuhisa Hagiwara
  萩原 誠久
   所属   その他 その他
   職種   非常勤嘱託
言語種別 日本語
発表タイトル Evolute R 留置後に ST 上昇型心筋梗塞を発症し血行再建に成功した一例
会議名 第67回日本心臓病学会学術集会
主催者 日本心臓病学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎遠藤奈奈, 海老原卓, 稲垣裕介, 田中一樹, 大槻尚男, 中尾優, 山口淳一, 萩原誠久
発表年月日 2019/09/15
開催地
(都市, 国名)
名古屋市
概要 *一般演題(口演):ケースから学ぶ 21
急性冠症候群(1)

症例は 83 歳女性.重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術目的に当院へ紹介となった.術前の経胸壁心エコー検査では EF47% で diffuse hypokinesis だったが asynergy はなく,冠動脈造影検査では冠動脈に有意狭窄を認めなかった.大腿動脈アプローチで Evolute R 26mm を留置し,平均圧較差は 32 mmHg から 2.9 mmHg に,最大流速は 3.9 m/s から 1.3 m/s に改善した.術後,数時間して胸痛が出現し心電図は II, III, aVF, V1-6 で ST 上昇を示し,経胸壁心エコー検査では前壁中隔が severe hypokinesis となっていた.急性心筋梗塞が疑われ緊急冠動脈造影検査を行う方針とした.ショック状態のためまず IABP を留置し,pig tail カテーテルにて上行大動脈造影を行い弁尖で冠動脈入口部が閉塞されていないことを確認した.次に左冠動脈を造影すると前下降枝#6 に透亮像を伴う 99% 狭窄を認めた.引き続きワイヤリングし,6Fr TVAC で吸引を試みたが吸引できなかった.この時 TVAC 先端に硬いものが当たる感覚があった.IVUS で観察すると,器質的中等度狭窄に大動脈弁尖から遊離したと考えられる石灰破片が嵌頓している状態であった.バルーン拡張後,Xience Sierra 2.5/33mm を留置しTIMI flow grade 3 を得た.今回経カテーテル大動脈弁置換術に付随した遊離石化片による塞栓性の ST 上昇型心筋梗塞に対する血行再建術を経験し治療に成功したため,文献的考察をまじえて報告する.