ハツトリ モトシ   HATTORI Motoshi
  服部 元史
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの薬物動態解析-医療技術実用化総合研究事業-
会議名 第31回 日本臨床薬理学会年会
主催者 日本臨床薬理学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎外賀裕次郎, 木村利美, 服部元史, 佐古まゆみ, 土田尚, 本田雅敬, 相川厚, 森田研, 和田尚弘, 飯島一誠
発表年月日 2010/12/03
開催地
(都市, 国名)
京都
学会抄録 臨床薬理 Vol.41 Suppl.2010 プログラム・抄録集 41,318 2010
概要 【目的】
ミコフェノール酸モフェチル(MMF)は、代謝物であるミコフェノール酸(MPA)の血中濃度が臨床効果や副作用に関連することが報告されており、血中濃度モニタリング(TDM)の必要性が示唆されている。小児腎移植にも使用されているが、本邦における小児MPA薬物動態は明らかになっていない。「医療技術実用化総合研究事業 小児腎移植におけるミコフェノール酸モフェチルの有効性・安全性の確認、用法・用量の検討・確立に関する研究」において小児MPA薬物動態の検討を行った。
【方法】
当該事業でMMFが投与され、かつMPA血中濃度が測定された患児24名(年齢2~17歳、体重11.6-58.2kg、身長85.7-17.1cm、体表面積0.55-1.62m2)を対象とした。1)血中濃度採血:移植1週間後(投与前、投与2・6時間後)、移植3ヵ月後(投与前、投与0.5・1・1.5・2・4・6・12時間後)、移植9か月後(投与前、投与2時間後)。2)薬物血中濃度測定方法:HPLC法。3)薬物動態解析パラメータ:実測AUC0-12(移植3ヵ月後;台形法)、推定AUC0-12(移植1週間・3ヶ月・9ヶ月後;実測AUC0-12からAUC0-12推定重回帰式を得た後、投与前・投与2時間値から算出し600mg/m2/dayに換算)、Cmax、Tmax、推定CL(投与量÷推定AUC0-12)
【結果・考察】
投与量;706.8±159.3(Mean±SD、Range;362~1153)mg/m2/day。実測AUC0-12(15例);48.7±27.6(µg・h/mL)。推定AUC0-12[移植1週間(20例);35.5±19.7、3ヶ月(14例);46.7±19.0、9ヶ月後(8例);46.8±19.4(µg・h/mL)]、推定AUC0-12算出式=19.282+7.705xC0+2.044xC2(R2=0.612) 〕。Cmax(15例);20.9±10.2(µg/mL)、Tmax(30分;10例、1h;3例、1.5h;1例、2h;1例)、推定CL[移植1週間(20例);9.7±2.9、3ヶ月(14例);7.5±3.3、9ヶ月後(8例);7.3±2.7(L/h/m2)]。海外においても経時的なAUCの変化が報告されているが、TDMには移植後のCLが経時的に変化していることを考慮しなければならない。