イワドウ カズヒロ
IWADOH Kazuhiro
岩藤 和広 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 腎移植患者の悪性腫瘍 —臓器別発生頻度— |
会議名 | 第46回日本臨床腎移植学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎岩藤和広, 甲斐耕太郎, 三宮彰仁, 村上徹, 小山一郎, 北島久視子, 中島一朗, 田邊一成, 渕之上昌平 |
発表年月日 | 2013/01/31 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 |
概要 | 【目的】免疫抑制療法により、発がん率が数倍高まると言われているが、一般人口の発がん率と比較して、臓器毎にどの程度発がん率が高まるかの報告は、本邦において少ない。
【方法】1971〜2007年に当施設で腎移植を受けた2,422例を対象に移植後の発がんを調査し、臓器別発がん率を調べた。また、国立がん研究センターがん対策情報センターの地域がん登録全国推定値によるがん罹患データに基づいて、臓器別にがん罹患者数の標準化罹患比(SIR)を算出し検討した。 【結果】総観察期間21,004人年で125例の発がんを認め、全臓器での発がん率は5.16%、SIRは2.004だった。臓器別では、乳房(1.26%)、自己腎(1.07%)、子宮(1.03%)、大腸(0.66%)、胃(0.41%)、皮膚(0.37%)等の順であった。SIRは、腎・尿路(20.94)、皮膚(16.32)、子宮体部(6.79)、脳(5.77)、膀胱(5.11)、PTLD(4.20) 等の順に高かったが、胃(1.16)、乳房(0.97)、卵巣(0.68)、肺(0.56)、子宮頸部(0.52)等は低かった。 【考察】腎移植患者の発がん率は一般人口の約2倍で、腎・尿路系、皮膚、子宮体部、PTLDなどは、SIRが4.20〜20.94のため発がん率も高かった。乳房や胃はSIRは低いが一般人口の発がん率が高いため移植後の発がん率も高いが、子宮頸部、肺、卵巣などはSIRも低値で発がん率は低く、臓器により免疫抑制のリスクは異なることが示唆された。 |