ニイナミ ヒロシ   NIINAMI Hiroshi
  新浪 博
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授・基幹分野長
言語種別 日本語
発表タイトル 肝細胞癌術前に偶発的に発見された左房粘液腫の 1 例
会議名 第67回日本心臓病学会学術集会
主催者 日本心臓病学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎尹星惠, 齋藤千紘, 鈴木敦, 新井光太郎, 芦原京美, 新浪博士, 萩原誠久
発表年月日 2019/09/14
開催地
(都市, 国名)
名古屋市
概要 *一般演題(口演):ケースから学ぶ 17
心臓腫瘍

75 歳男性.健診で肝腫瘍を指摘され,当院消化器外科受診となった.造影 CT で前区域に多発する最大 41mm の肝細胞癌と診断され,手術適応と判断された.また,同時に施行した胸部 CT で左房内腫瘤を認め,当科紹介受診となった.経胸壁心エコーでは,左房内心房中隔に付着する内部エコー輝度不均一な大きさ 26×21mm の腫瘤を認めた.経食道心エコーでは,腫瘤は有茎性で可動性を有し,内部に栄養血管を認めた.腫瘤による左室流入障害は認めず,心不全症状や塞栓症状は認めなかった.心臓腫瘍,血栓などが鑑別に挙がり,左房粘液腫の可能性が高く,塞栓症の危険があるため本来は可及的速やかな外科的手術による摘出が考慮されたが,多発肝細胞癌の病期進行によっては今後手術困難になる可能性も示唆された.消化器外科,心臓血管外科,当科で協議の結果,心臓手術を先行させることとし,準緊急で左房内腫瘍切除術を施行し,術後の病理診断は粘液腫であった.経過良好であり,術後 22 日に退院となった.退院後,肝細胞癌の著しい病期の進行は認めず,術後約 3 か月時に肝前区域切除術を施行した.肝癌術後約 1 年経過時点ではいずれも再発は認めていない.担癌患者で偶発的に発見された心臓腫瘍に対して外科手術を施行し良好に経過している症例を経験したため報告する.