ムラガキ ヨシヒロ   MURAGAKI Yoshihiro
  村垣 善浩
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   客員教授
言語種別 日本語
発表タイトル 術中情報統合ミドルウェア「OPeLiNK」を用いた脳腫瘍手術の実際
会議名 第39回日本脳腫瘍学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
発表者・共同発表者◎藤井雄, 荻原利浩, 後藤哲哉, 村垣善浩, 本郷一博, 堀内哲吉
発表年月日 2021/12/05
開催地
(都市, 国名)
神戸
開催期間 2021/12/05~2021/12/07
学会抄録 第39回日本脳腫瘍学会学術集会 プログラム・講演抄録集 79
概要 【目的】脳腫瘍手術では、MRI やナビゲーションシステムなどの画像情報だけでなく、神経機能情報や生体情報など様々な情報が必要である。これらの情報を統合するため、当院では手術室内の医療機器をネットワークで接続する新しい手術室「スマート治療室(Smart Cyber Operating Theater: SCOT)」を共同開発した。SCOT ではミドルウェアである「OPeLiNK」により術中情報は時間同期され、記録保存される。またこの術中情報は術者だけでなく、手術室外の「戦略デスク」の医師が解析し、術者と相互通信を行って最適な手術工程を術中に検討することが可能となる。OPeLiNK を用いた脳腫瘍手術の実際につき報告する。
【対象・方法】2018 年 7 月より稼働を開始した SCOT で手術を行われた脳腫瘍手術を対象とした。いずれの手術においても OPeLiNK を用いた術中情報統合表示を行った。必要に応じて OPeLinK を介して戦略デスクの指導医と術中検討を行なった。SCOT で行われた手術の臨床および画像データを後方視的に検討した。
【結果】症例は計 60 例で内訳は、神経膠腫が 29 例、下垂体腫瘍が 29 例、聴神経腫瘍 1 例、血管内リンパ腫が 1 例であった。OPeLiNK を用いた術中情報統合表示により手術スタッフが術者と同等の術中情報をリアルタイムに把握でき、それが手術戦略にフィードバックできた。また摘出量や開頭範囲について戦略デスクと会話および書き込みにて相互通信を行なった。術中にコメントを入力することで術後のレビューが容易となった。顕微鏡画像のみならず多種の情報を表示できる OPeLiNK を用いた振り返りは術後カンファレンスでも有用であった。
【結論】当院での脳腫瘍手術における OPeLiNK の使用経験について報告した。OPeLiNK は手術室内外での術中の情報共有だけでなく、術後レビューや若手教育にも有用である。