ムラガキ ヨシヒロ   MURAGAKI Yoshihiro
  村垣 善浩
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   客員教授
言語種別 日本語
発表タイトル スマート治療室SCOTにおけるDtoDの遠隔手術支援の実現可能性と課題
会議名 日本脳神経外科学会 第79回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎堀瀬友貴, 岡本淳, 藤井雄, 福井敦, 齋藤太一, 久住呂涼子, 山本秀樹, 馬塲延和, 鈴木薫之, 黒澤慎也, 奥田英樹, 正宗賢, 川俣貴一, 堀内哲吉, 村垣善浩
発表年月日 2020/10/15
開催地
(都市, 国名)
岡山現地開催+Web 併催
学会抄録 日本脳神経外科学会 第79回学術総会 プログラム&抄録集
概要 一般口演・ポスター / 一般口演9 遠隔医療 O-09-4
【目的】遠隔医療は、医療の質向上や医学教育の推進、地域医療の高度均てん化などが期待され、今後は需要がさらに増加することが予想される。女子医大では2000症例以上の悪性脳腫瘍摘出術の治療実績があり、2019年10月から臨床運用を開始したスマート治療室(SCOT®)では60症例以上の手術を行った。SCOTでは手術室のさまざまな医療機器の情報を時間同期して収集・管理ができる。術中情報を統合表示した戦略デスクは手術室スタッフ間の情報共有として活用しているが、手術室外の離れた場所の熟練医と共有することで遠隔手術支援が可能である。今回はSCOTを導入している信州大学と共同で、大学内と大学間の2パターンでDtoDの遠隔手術支援の実現可能性を調査した。
【方法】パターン(1)では、女子医大のSCOTと同大学内の別の建物(研究室)の2拠点を繋ぎ、SCOTで悪性脳腫瘍摘出術のデモを実施し、研究室側で熟練医が戦略デスクを確認しながら遠隔手術支援が行えるか検証した。パターン(2)では、信州大学の医局と女子医大の研究室の2拠点を繋ぎ、信州大学のSCOTでの過去症例の戦略デスク映像を2拠点で共有し、女子医大の熟練医から信州大学の医師へ遠隔手術指導が行えるか検証した。各拠点間のネットワークは、IP-VPNの閉域網を採用し、IPsecによるセキュリティ強化を行った。本実証は、総務省事業「医師対医師の遠隔医療の普及促進にかかる調査研究」により実施した。
【結果・考察】術野映像として1映像あたり2 Mbps、その他意思決定に必要な機器情報・映像情報として1映像あたり0.5 Mbpsのリアルタイム映像配信において遠隔手術支援として十分な画質が得られることを確認した。医師からのアンケート結果より、本システムは手術精度・安全性、教育等への貢献が高く、将来性への期待も高いことが分かった。遠隔手術支援の実現に向けて、技術的課題だけではなく、システム導入・維持のコストや、病院間での連携体制、DtoDでの診療報酬など、社会的課題への取り組みの必要性が示唆された。