ムラガキ ヨシヒロ   MURAGAKI Yoshihiro
  村垣 善浩
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   客員教授
言語種別 日本語
発表タイトル 次世代手術室がもたらす経鼻内視鏡手術の今後の展開
会議名 日本脳神経外科学会第78回学術総会
学会区分 国際学会及び海外の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎荻原利浩, 後藤哲哉, 藤井雄, 堀内哲吉, 岡本淳, 村垣善浩, 本郷一博
発表年月日 2019/10/09
開催地
(都市, 国名)
大阪
学会抄録 日本脳神経外科学会第78回学術総会 23 2019
概要 デジタルポスター 36
手術室
2019 年10 月9 日(水) 11:00-12:00  
DP-9 会場½ 大阪国際会議場10F 会議室1010
座長:藤井正純(福島県立医科大学脳神経外科)
低侵襲手術が推奨される現代脳神経外科医療の中で、その代表的なものとして頭蓋底病変に対する経鼻内視鏡手術が確立されたが、その手術手技の特殊性や手術難易度から現状では手術成績は術者の技量によるところが大きいと言わざるを得ない。今後のさらなる経鼻内視鏡手術の発展のためには、多くの術者、施設間でいかに同等の質の手術を提供できるかが課題となる。我々は経鼻内視鏡手術のハード面、すなわち手術室環境がその解決策のひとつになり得ると考えた。当施設では、従来の手術室の他、2018 年にハイブリッド手術室 (hOR) とスマート治療室(SCOT) を導入した。hOR は、床置型透視装置 Artis Pheno(SIEMENS)を兼ね備えた手術室で、3D 機能や画像融合機能を持ち、精度の高い画像を基に手術が可能で、かつ術中の血管撮影や血管内治療にも迅速に対応できる。また、SCOT とは IoT 化された手術室のことであり、コミュニケーションインターフェース“OPeLiNK”によりそれまで独立して存在していた手術関連機器を統合したものである。すなわち、術中 MRI、神経モニタリング、生体モニター、ナビゲーション、術野画像などのデータは IoT により時間軸で管理・統合され、術者や手術スタッフ、医局に設置された戦略デスク間で、これらの情報をリアルタイムに共有しながら手術を遂行することが可能となった。当施設では、現在経鼻内視鏡手術の際、その病態や手術方法に応じて手術室環境を選択している。すなわち、比較的手技が単純な下垂体病変には従来の手術室、硬膜内病変を伴うような難易度の高い手術や機能性腺腫のような全摘出が要求される症例は SCOT、そして脊索腫や頭蓋頸椎移行部病変のように骨削除が鍵となるような手術では hOR といった具合である。今回、hOR や SCOT といった次世代手術室が完備されてから 1 年間で施行した経鼻内視鏡手術 32 症例を解析し、手術室環境の観点からみた経鼻内視鏡手術の現状とそれぞれの手術室の長所短所を考察するとともに、次世代手術室がもたらす経鼻内視鏡手術の今後の展開を概説する。