ヤマザキ ケンジ   KENJI YAMAZAKI
  山崎 健二
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   客員教授
言語種別 日本語
発表タイトル 感染性心内膜炎に対する自己心膜等を用いた大動脈弁再建術についての検討
会議名 第47回日本心臓血管外科学会学術総会
主催者 日本心臓血管外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎赤松雄太, 澤重治, 藤井奨, 志村一馬, 秋山章, 山崎健二, 志水秀行
発表年月日 2017/02/27
開催地
(都市, 国名)
東京都
概要 *一般口演11/感染性心内膜炎
【目的】大動脈弁の感染性心内膜炎(以下IE)に対する治療は弁置換術がスタンダードであるが、人工弁感染の懸念から感染活動期での手術を躊躇する事は多い。また機械弁では抗凝固薬内服による患者の肉体的、精神的負担が発生する。当院では積極的に自己心膜等を用いた大動脈弁再建術(以下AVrC)を施行しており、IEに対しても適用している。当院にて施行したIEに対するAVrCについて、後ろ向きに検討した。
【方法】2011年8月から2016年3月までに大動脈弁のIEに対してAVrCを施行した10例(64.0±12.1歳、男性7例)を対象とした。手術は大動脈弁尖を切離した後、弁輪を丁寧に掻爬、グルタールアルデヒドにて固定した自己心膜等を弁尖として用いる方法である。
【結果】単独AVrC 6例、同時手術として僧帽弁置換あるいは形成術3例、三尖弁形成術1例であった。自己心膜を使用した症例が8例、ウシ心膜を使用した症例が2例。AVrC単独症例における人工心肺時間188±38分、大動脈遮断時間138±29分。術中の大動脈弁置換術への変更は0例、術後再開胸、術後脳梗塞、術後脳出血、消化管出血は認めなかった。手術死亡はなく、2016年8月現在全症例で生存している。
【結論】IEに対するAVrCに関して非常に良好な成績が得られた。1.術後感染を惹起する異物(太い縫合糸、人工弁等)を使用しない。2.弁輪を十分掻爬することができる(4-0モノフィラメント糸で弁輪に心膜を固定する)。3.自己心膜固定に用いるグルタールアルデヒドに殺菌効果がある。4.術後抗凝固薬が不要である。などIEに対してAVrCを行う利点が数多く存在する。AVrCは大動脈弁のIEに対して、大動脈弁置換術と代替可能な手術であると考えられる。