アヅマ タカシ   AZUMA Takashi
  東 隆
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 慢性心房細動合併僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術の検討:術前左房径の影響
会議名 第49回日本心臓血管外科学会学術総会
主催者 日本心臓血管外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(その他)
発表者・共同発表者◎齋藤博之, 新浪博, 齋藤聡, 西中知博, 新川武史, 菊地千鶴男, 松村剛毅, 道本智, 東隆, 澤真太郎, 日野阿斗務, 入江翔一, 中前亨介, 阿瀬孝治, 池原大烈
発表年月日 2019/02/12
開催地
(都市, 国名)
岡山県岡山市
概要 *シンポジウム06
Atrial functional MRの最新の治療方針

【目的】慢性心房細動を合併した僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術の成績を検討する。特に術前の左房径が術後遠隔期の洞調律維持率、及び左心機能に及ぼす影響について検討した。【対象と方法】2006年7月から2018年6月までの12年間に当科にて施行した52例の慢性心房細動(af)を合併した僧帽弁閉鎖不全症(MR)手術症例のうち遠隔期に経胸壁心エコー(TTE)評価が可能であった41例を対象とした。術前TTE上の左房径(LAD)により2群に分類した。I群LAD<52mm N=18,II群LAD>53mm N=23であった。術後駆出率(EF)、洞調律維持率および左室拡張末期径(LVDd)を比較検討した。【結果】観察期間中央値は1281.4日、男26例(63.4%)、手術時平均年齢66.5歳であった。病変はprolapse 22, chordal rupture 9, tethering 9, perforation 1であった。17例(41.3%)に前尖病変を認めた。両群間の術前因子の比較検討では 年齢、MR grade、病変位置、LVDd(mm) , EF(%) に両群間に有意差は認めなかった。手術は人工弁輪Physio II ring 32, Tailor Flexible Ring 3, Physio ring 3, CG future 2, Tailor Flexible Band 1をそれぞれ使用した。使用人工弁輪サイズは平均29.2 mmであった。31例(78%)にMaze手術、29例(70.7%)に三尖弁輪形成術を併施した。人工腱索による腱索再建術を5例に施行した。2例で弁形成困難のため弁置換術に術式変更した。術式等に両群間に有意差は認めなかった。遠隔死亡、再手術を認めなかった。遠隔期のTTE検査でMRは38例(92.7%)でmild以下であった。遠隔期洞調律維持率は全体で43.9%でありI群は72.2%であったのに対しII群では21.7%だった(P<0.05)。術直後はLVDdはI群47.4 mm, II群51.5 mmへ両群とも有意に術前と比較して改善(P<0.05)した。また遠隔期ではI群で引き続き有意差を認め改善(P<0.05)したがII群では術前と有意差を認めなかった。【考察】1. 慢性心房細動を合併した僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術とMaze手術の成績は良好であった。2. 術前左房径が52 mm以下の症例では積極的にMaze手術を施行する事が推奨され、遠隔期の高い洞調律維持による抗凝固療法離脱及び左室機能の回復が期待できる。3. 遠隔期の洞調律と左室機能維持のためには左房拡大に至る前の手術介入が適当である。