アヅマ タカシ   AZUMA Takashi
  東 隆
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 当院における外傷性胸部大動脈損傷の治療経験
会議名 第47回日本心臓血管外科学会学術総会
主催者 日本心臓血管外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎磯村彰吾, 中島雅人, 山田有希子, 横山裕次郎, 四方大地, 小林辰輔, 東隆, 横井良彦
発表年月日 2017/02/27
開催地
(都市, 国名)
東京都
概要 *ポスターセッション/胸部大動脈①
【目的】外傷性胸部大動脈損傷(Traumatic Thoracic Aortic Injury ; TTAI)の治療では大動脈損傷の程度と他臓器損傷を考慮した対応が必要となる。当院でのTTAI治療の妥当性につき検討した。【対象】2003年1月から2016年7月までに当院に搬送されたTTAI 47例中、来院時心肺停止例を除く29例を対象とした。平均年齢58.6 (16-94)歳、受傷起点は不慮の事故25例、自傷4例であった。平均ISS (Injury severity score)は39.1±18.6、Ps(Probability of survival)は0.65±0.35であり、損傷部位は峡部19例、峡部+上行大動脈1例、峡部-下行大動脈7例、下行大動脈2例であった。【治療】当院では他臓器障害が軽度であれば緊急手術、他臓器障害がある場合はダメージコントロールを優先し、ヘパリン化が可能ならopen repair(OR), そうでない場合はTEVARを選択し、他臓器障害でバイタルが不安定、もしくは大動脈損傷が軽度な場合は保存加療としている。保存加療は 12例、Emergency room thoracotomy(ERT) 1例、手術加療は16例(TEVAR 9例、OR 7例)であった。手術時期は緊急6例、待機10例であった。【結果】全体として5例を来院後24時間以内に出血性ショックで失い、内訳はTEVAR後に1例、ERTを行った1例、保存加療中の死亡例は3例で手術非適応と判断された症例であった。生存率は保存加療群75%、手術群93.7%と有意差は認めなかった。(P=0.16) 手術治療では術後の対麻痺は無く、TEVARを行った1例を失ったが他15例は生存退院し、手術時期や手術法で生存率に有為差は認めなかった。平均手術時間はOR群で213.6±39.1分、TEVAR群で137.9±51.3分と有意にTEVAR群で短かった。(P<0.05)2013年前後で当院ではOR / TEVAR 5例/2例から2例/6例へとTEVARの割合が増え、保存加療を含めた生存率は77.8%(n=18)から91%(n=11)と有意差はないものの改善傾向にあった。【結語】ORと比較しTEVARでは短時間かつ最小限のヘパリン化で施行できるため主流な治療法となってきており当院でもその傾向が見られた。手術成績は概ね良好であり当院の治療方針は妥当なものであったと考えられた。