スズキ ツヨシ   SUZUKI Tsuyoshi
  鈴木 豪
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル うつと心臓病
会議名 第64回日本心臓病学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎志賀剛, 鈴木豪, 萩原誠久, 西村勝治
発表年月日 2016/09/24
開催地
(都市, 国名)
東京都
概要 ストレスや感情状態の変化が自律神経系、神経内分泌経路を通じて心臓に影響を及ぼすことはよく知られており、その作用は双方向性である。冠動脈疾患とうつ病の関連は1990年代から多くの報告があり、うつは冠動脈疾患の独立した予後悪化因子であることが示された。近年、冠動脈疾患のみならず、不整脈や心不全においても、うつが予後悪化因子になることが示されている。
 われわれは、循環器疾患入院患者505名(年齢61±14歳、女性28%)を対象に検討したところ、109名(22%)にうつ(Zung Self-Rating Depression Scale index score ≥60)を認めた。NYHA心機能分類III/IV度、植込み型除細動器治療、配偶者なしがうつの独立した因子であった。平均観察期間38±15月において死亡および心血管イベントの複合評価項目は、うつを有する例が有さない例に比し、有意に頻度が高かった(p<0.01)。総死亡においても同様であった(p<0.01)。多変量解析からうつは死亡および心血管イベントの独立した因子であった(HR 2.25, 95%CI 1.30-3.92, p<0.001)。さらに心不全患者において、うつとともに不安を伴うとさらに心不全増悪に係わること、除細動器植込み患者では、ショック作動がうつ症状を継続させることを見出した。
 現在、心臓病の臨床転帰にうつが関係し、心臓病患者の予後予測マーカーになることはほぼコンセンサスが得られたといっていいだろう。このような背景から、心臓病患者に対しても心理社会的背景、うつのスクリーニングが必要といわれている。アメリカ心臓病学会からは冠動脈疾患患者に対するうつのスクリーニングとしてPatient Health Questionnaires(PHQ-9)が推奨され、心不全患者への有用性も報告されている。しかし、多忙な循環器外来でPHQ-9を行うのは手間と時間を要する。このため、うつのスクリーニングとして2つの質問だけを行うPHQ-2とその有用性についても考えてみたい。