ドウモト サトル
  道本 智
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 弓部大動脈病変に対する分岐デバイス対応屈曲開窓型ステントグラフトの有用性
会議名 第49回日本心臓血管外科学会学術総会
主催者 日本心臓血管外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
発表者・共同発表者◎横井良彦, 東隆, 磯村彰吾, 道本智, 駒ヶ嶺正英, 新浪博士
発表年月日 2019/02/13
開催地
(都市, 国名)
岡山県岡山市
概要 *会長要望31
Zone 0,1 TEVARの工夫

胸部大動脈瘤に対するステントグラフト(SG)内挿術は、開胸操作や体外循環を回避することによる手術の低侵襲化が可能であり、下行大動脈領域においては、治療の第1選択となりつつある。しかし、大動脈瘤が好発する弓部~遠位弓部大動脈瘤においては、頭頚部分枝の存在によりSG中枢側Landing Zoneの確保が困難となるため、オープンSG内挿術や、頚部分枝バイパス併用のHybrid TEVARが選択されることも多い。筆者らは、開窓型SGである”Najuta”(川澄化学製)の開発を主導した後、臨床成績向上と適応拡大を目的として、完全カスタムメイドの開窓型SGの開発を進めている。その結果、開窓部の大きさは分枝起始部と同サイズ以下まで縮小可能となり、更に昨年、頚部分枝にも使用可能な”VIABAHN”(ゴア社製)の上市に伴い、開窓部にHydrogel Coil “AZUR”(テルモ社製)を用いた連結用ポートを逢着することにより、分岐型SGとしても臨床使用できるSGの作製が可能となった。今回、当院及び関連施設において平成29年9月以降の近接1年間に、本デバイスによる治療を行った弓部大動脈病変82例について検討を行い、初期成功率96.3%(79/82)、脳神経系合併症1.2%(1/82)と良好な結果が得られた。分枝デバイスの使用頻度は1分枝が42例(左鎖骨下動脈が39例、以前の頚部バイパス術後などのため、腕頭動脈のみ2例、総頚動脈のみ1例)、左総頚動脈との2分枝が12例、3分枝再建が9例であった。また、開窓のみで完了が11例、鎖骨下動脈起始部の粥腫などにより単純閉鎖を選択したのは7例であった。本デバイスを用いることで、上行大動脈に中枢側固定部を有する患者については、アクセス可能である限りEndovascularによる治療が可能となり、頭頚部分枝血管のバイパスは不要となった。その特徴は、開窓型と分岐型、両者の長所を併用できる点にあり、上行大動脈まで充分にLanding Zoneを確保した上で必要に応じて分枝再建を行うことにより、生理的な動脈血流を維持しつつ最小限の侵襲で弓部大動脈瘤治療を完成することが可能となった。分枝デバイス留置による固定性向上により遠隔期成績が改善される可能性を含め、今後とも経過観察が必須であるが、その低侵襲性から考えて、本治療法の進歩・発展が期待される。