イチハラ ユウキ   YUKI ICHIHARA
  市原 有起
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル CABGにおけるTTFによる術中グラフト評価と術後グラフト開存との関連について
会議名 第49回日本心臓血管外科学会学術総会
主催者 日本心臓血管外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎森田耕三, 池田昌弘, 市原有起, 宮本真嘉, 駒ヶ嶺正英, 久米悠太, 飯塚慶, 藤田薫, 小林慶, 澤真太郎, 日野阿斗務, 中前亨介, 池原大烈, 阿瀬孝治, 新浪博
発表年月日 2019/02/13
開催地
(都市, 国名)
岡山県岡山市
概要 *ポスター06 虚血性-1
(背景)近年CABG術中のグラフト評価においてTTFの有用性についての報告多くなされているが、術後カテーテル検査の結果との関係についての報告は少ない。今回、TTFによるグラフト評価の結果と術後カテーテルとの関係について調べた。(対象、方法)対象は2017年9月から2018年8月の間にCABGを行った131例のうち、術後カテーテルによりグラフト開存を調べた92例、222本のグラフトにおいて術中TTFのパラメータと術後カテーテルの結果との関連について調べた。(結果)92例中90例にOff-pump CABGを行い、2例は術中On-pump conversionとなった。年齢は66.1±10.0歳、男性76例、女性16例であった。平均バイパス数は3.3±1.1本であった。両側内胸動脈使用58例(63%)、全動脈グラフト63例(68%)であった。使用グラフトはLITA 88本、RITA 60本、GEA 44本、SVG 31本、RA 2本であった。バイパスのターゲット領域はLITA-LAD 48、LITA-LCX 38、RITA-LAD 47、RITA-LCX 10、RITA-RCA 1、GEA-LCX 8、GEA-RCA 44、SVG-LCX 20、SVG-RCA 23、RA-LCX 1、RA-RCA 2(sequential bypassで2領域にまたがる場合両方に含む)であった。狭窄、閉塞などの術後グラフトfailureを4本のグラフトに認め、LITA-LAD(2.2)、RITA-LAD(2.4)、SVG-LCX(11.6)、SVG-RCA(5.8) (カッコ内はTTFにおけるPI値)であった。グラフト別にPI値をみると、LITAのPI値は2.6±2.3 (1.0 - 21.1)であった。グラフトfailureの可能性を示唆するPI値5.0以上を5例に認めたがいずれも術後グラフトは良好に開存していた。RITAのPI値は2.7±1.1(1.4-9.0)、PI値5.0以上は1例のみでグラフトは開存。GEAのPI値は2.8±1.1(1.2-5.8)、PI値5.0以上は3例でグラフトは全て開存。SVGのPI値は3.2±3.6(0.9-18.4)、PI値5.0以上は4例でそのうち2例においてグラフトfailureを認めた。(考察)少ない症例数というlimitationはあるが、PI値5.0以上のグラフトでも術後良好に開存している症例があり、グラフトfailureを示唆する術中因子としてはPI以外のTTFパラメータ(flow、DF)や冠動脈の解剖などを考える必要があると思われ、さらに詳細な検討が必要である。また動脈グラフトと静脈グラフトの間で、TTFパラメータが持つ意味合いに差がある可能性があると思われた。