サイトウ ヒロユキ   SAITO Hiroyuki
  齋藤 博之
   所属   医学部 医学科(附属八千代医療センター)
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル CABG における TTFM(Transit-Time Flowmetry) による術中グラフト評価と術後グラフト開存との関連性
会議名 第24回日本冠動脈外科学会学術大会
主催者 日本冠動脈外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎森田耕三, 磯村彰吾, 新浪博, 齋藤博之, 菊地千鶴男
発表年月日 2019/07/11
開催地
(都市, 国名)
石川県金沢市
概要 【背景】近年 CABG 術中のグラフト評価において TTF の有用性についての報告多くなされている。今回、TTF によるグラフト評価の結果と術後カテーテルとの関係について調べた。【対象、方法】対象は 2017 年 9 月から 2018 年 12 月の間に CABG を行った 200 例のうち、術後カテーテルによりグラフト開存を調べた146 例、314 本のグラフトにおいて術中 TTF のパラメータと術後カテーテルの結果との関連について調べた。【結果】200 例中198 例に Off-pump CABG を行った。年齢は 66.1 ± 10.0 歳であった。平均バイパス数は 3.3 ± 1.1 本であった。両側内胸動脈使用 92 例 (63%)、全動脈グラフト 94 例 (64%) であった。使用グラフトはLITA 137 本、RITA 93 本、GEA 55 本、SVG 53 本、RA 4 本であった。バイパスのターゲット領域は LITA-LAD 75、LITA-LCX 62、RITA-LAD 65、RITA-LCX 28、RITA-RCA 1、GEA-LCX 15、GEA-RCA 53、SVG-LCX 20、SVG-RCA 44、RA-LCX 2、RA-RCA 2 であった。狭窄、閉塞などの術後グラフト failure を 4 本のグラフトに認め、LITA-LAD(2.2)、RITALAD(2.4)、SVG-LCX(11.6)、SVG-RCA(5.8)(カッコ内は TTFにおける PI 値)であった。グラフト別に PI 値をみると、LITAの PI 値は 2.6 ± 2.3 (1.0 - 21.1) であった。グラフト failure の可能性を示唆する PI 値 5.0 以上を 5 例に認めたがいずれも術後グラフトは良好に開存していた。RITA の PI 値は 2.7 ± 1.1(1.4-9.0)、PI 値 5.0 以上は 1 例のみでグラフトは開存。GEA の PI 値は2.8±1.1(1.2-5.8)、PI値5.0以上は3例でグラフトは全て開存。SVG の PI 値は 3.2 ± 3.6(0.9-18.4)、PI 値 5.0 以上は 4 例でそのうち 2 例においてグラフト failure を認めた。【考察】PI 値 5.0 以上のグラフトでも術後良好に開存している症例があり、術中因子として PI 以外の TTF パラメータ(flow、DF) や冠動脈の解剖などを考える必要があると思われる。また動脈グラフトと静脈グラフトの間で、TTF パラメータが持つ意味合いに差がある可能性があると思われた。