シガ トモコ
  志賀 智子
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル サリドマイド胎芽病患者における生活習慣病(メタボリックシンドローム)の評価
会議名 第55回日本人間ドック学会学術大会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎志賀智子, 岩倉容子, 新保卓郎, 吉澤篤人
発表年月日 2014/09/05
開催地
(都市, 国名)
福岡
学会抄録 人間ドック 29(2),249 2014
概要 【目的】日本国内で妊婦に使われた「サリドマイド剤」は、多くの重篤な四肢の欠損等の「上肢の障害」や聴覚障害等の「耳の障害」という胎芽病を発生させた。サリドマイド胎芽病者も50歳を迎え、2011年から国立国際医療研究センター病院、帝京大学医学部附属病院、京都医療センターで厚生労働科学研究「全国のサリドマイド胎芽病患者の健康、生活実態に関する研究」の一環として、サリドマイド胎芽病患者への健康診断が実施されている。今回その結果を生活習慣病に注目してまとめた。
【方法】2011年から3年間に健康診断を受けた76名のサリドマイド胎芽病患者を対象とした。サリドマイド胎芽病患者と生活習慣病との関係を検討した。血圧はサリドマイド胎芽病の上肢障害者において評価が困難な為、予測上肢血圧=0.88×「Sサイズのカフによる下肢血圧」とした。尚、下肢血圧の拡張期圧の評価は定まっておらず、収縮期圧の評価のみとした。
【成績】(1)平均年齢は50.2±1.2歳、男性31名、女性45名であった。高血圧46.7%、脂質代謝異常23.7%、耐糖能異常18.4%、高尿酸血症21.1%、メタボリックシンドローム(MS)7.6%、脂肪肝52.6%であった。  
(2)脂肪肝の40%に脂質代謝異常を認め、脂肪肝の危険因子として脂質代謝異常に有意な関連を認めた。
【結論】痛みを伴わない検査である腹部超音波検査で脂肪肝を指摘された場合は、積極的に採血検査を行い、脂質代謝異常等の生活習慣病、MSの有無を調べることが望ましい。
【倫理的配慮・その他】本研究は厚生労働省科学研究費補助金「平成23年度医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究(研究課題名:全国サリドマイド胎芽病患者
の健康、生活実態に関する研究)」の一部として実施した。