イトウ トシマサ   Toshimasa Itoh
  伊東 俊雅
   所属   その他 その他
   職種   薬剤部長
言語種別 日本語
発表タイトル アセトアミノフェン注射液における肝機能への影響
会議名 第8回日本緩和医療薬学会年会
主催者 日本緩和医療薬学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者高橋麻利子, 伊東俊雅, 大野朋子, 川辺桂太郎, 兼村俊範, 高橋賢成, 木村利美
発表年月日 2014/10/04
開催地
(都市, 国名)
愛媛
学会抄録 日本緩和医療薬学会要旨集  2014
概要 【目的】2013年12月アセトアミノフェン注射液(以下、APAPi)が発売され、嚥下障害や悪心・嘔吐を認める患者、意識低下患者、周術期患者等への使用が期待される。しかし、国内においては、患者を対象とした臨床試験が実施されておらず、種々の合併症等を有する患者、高齢者、心疾患等を有する患者での安全性については、製造販売後調査における検討が必要とされている。今回、APAPi投与による肝機能への影響について後方視的に調査したので報告する。
【方法】2014年1月1日から2014年4月21日の期間に、当院にてAPAPiを処方された患者68名(男性34名、女性34名、平均年齢56.3±18.9歳)を対象とし、疾患名、使用目的、体重、投与量、投与期間および肝機能について、診療録より調査した。
【結果】使用目的は、術後疼痛35名、がん疼痛19名、発熱6名、その他の疼痛8名であった。疼痛治療に対する平均投与量は、15.8±4.4mg/kg/回、22.8±14.1mg/kg/日であり、平均投与期間は、4.7±6.8日であった。また、50kg未満の患者における平均投与量は、16.3±5.8mg/kg/回、25.8±16.7mg/kg/日であった。APAPi初回開始時の肝機能は、1名のALT上昇(Grade1)があったが、増悪は認められなかった。また、APAPi投与中、ASTまたはALTの上昇(Grade1)を認めた患者は5名(7.4%)であり、このうち、2名は一過性で投与継続したが軽快、1名は投与中止により症状軽快、1名は他剤の中止により軽快した。また、肝機能障害を認めた5名のうち3名に、心機能障害や腎機能障害等の既往が認められた。
【考察】APAPiの使用においては、合併症も踏まえた副作用のモニタリングが必要である。今回の調査により、APAPiの肝機能障害の発現は7.4%であったが、比較的軽微であった。これらは、心・腎疾患、がん進行に伴う体重減少等が背景にあることから、肝機能の他、これらに対する注意も必要と考えられる。