キタハラ シユウジ   KITAHARA Shiyuuji
  北原 秀治
   所属   医学研究科 医学研究科 (医学部医学科をご参照ください)
   職種   特任准教授
Language Japanese
Title ピアサポートのDX化による新しい当事者参画医療社会モデルの構築
Conference 第32回日本コンピュータ外科学会大会
Conference Type Nationwide Conferences
Presentation Type Speech
Lecture Type General
Publisher and common publisher◎北原秀治, 楠田佳緒, 三木則尚, 細田満和子, 宿野部武志, 葉山靖明, 水口迅
Date 2023/12/01
Venue
(city and name of the country)
鹿児島市
Holding period 2023/12/01~2023/12/03
Society abstract 日本コンピュータ外科学会誌 25(3),** 2023
Summary 一般演題7/XR・ナビゲーション2 14:00~14:50 座長:中村亮一(メディエライト合同会社),小林 聡(九州大学大学院 医学研究院泌尿器科学分野) 23(7)‒ 3
手術や疾患経験のある患者・当事者同士(ピア)が相互扶助を行う「ピアサポート」1)は、患者・医療者間のコミュニケーションの溝を埋め、病気への向き合い方やセルフケアのアドバイスを与えるなど2)3)、その有効性が確認されている。日本では、まだ広がりは見せていないが、海外では医療が十分に行き届かない地域のピアサポートは非常に有効な手段4)として認識されている。しかしコロナ禍において、このような当事者同士の活動は非常に難しくなり、直接の接触を制限されてきた。結果、ピアサポートの機会が失われ、広がるどころか、縮小を見せる事態となってしまった。近年、メタバースでのコミュニケーションが、一般の人々の間でも盛んになり、従来のコミュニケーション手段の一つに取り入れられた。我々は、このシステムとピアサポートを結合させることにより、従来アナログで、どこにも記録が残っていないピアサポートをデジタル化させる先行的実装研究を始めた。そしてデジタル化させることでピアサポートの価値を、機械学習、AIを用いて定量評価でき、さらにその「こえ」自体デジタル化、蓄積、そして機械学習、生成AIを用いた解析、抽出により、企業および行政、そして社会に役立つ価値を生み出すためのストーリーを作り出し実装してきた。まず一つ目は福岡で行っている「WithUs」である。<ピアサポートx教育x DX>というコンセプトで、これは当事者が実際にICTを用いたピアサポートを行ってる現場を、作業療法士や理学療法士の学生の前で行い、学生時代から当事者との触れ合い、当事者の気持ち、そして将来のリハビリのDX化を学んでもらう教育である。二つ目は「ソーシャルバザール」である。これは個人を繋ぐネットワーク形成と地域課題の抽出を行える場づくりをメタバースを用いて行うイベント(ピアサポート)である。主に「ヤングケアラー」や「障がい者の就労」等をテーマに、若者を孤独・孤立させない仕組みや方法を<コミュニティ×医療・福祉×DX>で共有し、地域、自治体を巻き込む。三つ目は「こえを”かち”にするプロジェクト」である。これはAI解析やデータ分析技術を活用して、メタバース上でのコミュニケーションや情報共有を円滑化させ、生成AI等を活用し、蓄積された会話の定量化や、参加者同士のコミュニケーションを支援する。この三つのストーリーはそれぞれ相互作用も有しており、医工社連携研究者プラス当事者で、三つのストーリを実装し、サステナブルなピアサポートの普及を促進し、SDGsの複数の目標が達成される社会を2030年までに目指す。
キーワード:ピアサポート, DX、当事者・市民協働参画