ミナミ ユウイチロウ   Yuichiro Minami
  南 雄一郎
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 左室流出路狭窄を伴うたこつぼ症候群が再発した透析患者の一例
会議名 第67回日本心臓病学会学術集会
主催者 日本心臓病学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎髙田卓磨, 石田一世, 林奈優佳, 溝渕景子, 沼田まどか, 春木伸太郎, 重城健太郎, 南雄一郎, 萩原誠久
発表年月日 2019/09/15
開催地
(都市, 国名)
名古屋市
概要 *一般演題(口演):ケースから学ぶ 27
たこつぼ型心筋症

【症例】
腎硬化症による透析歴が 16 年ある 60 歳の女性.4 年前にたこつぼ症候群のため入院歴がある.今回,厳しい社交ダンスの練習中に重圧が強く胸部違和感を自覚していたが,翌日透析病院にて相談し急性冠症候群 (ACS) を疑われ当院紹介,救急搬送となる.来院時,血圧 82/58 mmHg,脈拍 78 回/分,Levine 2/6 程度の収縮期雑音を聴取した.心電図は,正常軸,II,III,aVF,V3-6 誘導で ST 上昇,I,aVL で ST 低下を認めた.経胸壁心エコー検査では心尖部に風船様の壁運動低下と心基部の過収縮を認め,左室流出路 (LVOT) の最大加速血流は 4.1m/sec であった.ACS を否定するため,緊急冠動脈造影検査を施行し,冠動脈に有意狭窄なく,左室造影検査はたこつぼ症候群に矛盾ない所見であり,たこつぼ症候群の再発と診断した.入院 1 日目の透析開始直後より胸痛を訴えた.心電図は入院時のものと著変なかったが,心エコー検査にて LVOT の最大加速血流が 4.7m/sec,平均圧較差は 58 mmHg で,収縮期僧帽弁前方運動を認めた.症状は次第に悪化し,除水に伴う LVOT 狭窄の悪化が主病態と考えランジオロールを 3 µ g/kg/min より開始した.バイタルと症状を注意深く観察しながらランジオロールを漸増し 10 µ g/kg/minまで増量したところで症状は改善し,LVOT の最大加速血流は 4.3m/sec,平均圧較差も 38 mmHg まで漸減した.翌日以降,壁運動異常は徐々に改善し,最終的に LVOT の加速血流は消失した.透析中に胸部症状が再燃しないことを確認し第 8 病日に
独歩退院となる.


【考察】
たこつぼ症候群の 5 年再発率は 5-22% と言われているが,透析患者のたこつぼ症候群の再発報告は我々が検索しえた範囲では皆無であった.本症例は LVOT 狭窄を伴う透析患者におけるたこつぼ症候群の再発症例であり,極めて稀と思われたため文献的考察を踏まえ報告する.