タナカ カズキ   TANAKA Kazuki
  田中 一樹
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 診断に難渋した修正大血管転位患者の奇異性塞栓による急性心筋梗塞の一例
会議名 第64回日本心臓病学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎秦武弘, 大槻尚男, 嶋崎健介, 中尾優, 田中一樹, 門脇拓, 猪谷亮介, 重城健太郎, 嵐弘之, 南雄一郎, 山口淳一, 萩原誠久
発表年月日 2016/09/24
開催地
(都市, 国名)
東京都
概要 症例は49歳女性。出生時よりチアノーゼを認めており、4歳時に修正大血管転位症(cTGA)と診断された。13歳時に当院へ紹介となり精査の結果、cTGA、心室中隔欠損(VSD)、二次孔欠損型心房中隔欠損(ASD)、肺動脈狭窄症(PS)、右側大動脈弓と診断され手術加療が検討されたが、御本人・御家族の希望により手術は施行しない方針となっていた。20歳台から当院受診を自己中断されていたが、39歳時に虫垂炎加療のため当院に入院した後は再度当院でのフォローを行っていた。外来ではチアノーゼは残存しており、NYHAIII度の心不全症状と浮腫を認め、徐々に増悪傾向となっており入院加療も行われる様になっていた。
今回は2015年12月、尿路感染症の診断でかかりつけである当院循環器小児科に入院となった。抗生剤投与により病状は改善傾向となっていたが入院1週間後、起床後トイレに行って戻ってきたところで冷汗・嘔吐を伴う胸痛症状が出現した。心電図上IIIIIaVF V3-6にST低下を認め、採血上心筋逸脱酵素の上昇も伴っており、急性冠症候群の診断で緊急カテーテル検査を行ったが、冠動脈造影では明らかな閉塞病変や有意狭窄は認めなかった。その後はヘパリン・ニコランジル投与を行い、発症16時間後にCK 2293U/L、CKMB191IU/Lでピークアウトした。粥状硬化性プラーク破綻からの一過性血栓性閉塞や血栓塞栓症、たこつぼ型心筋症などを鑑別に挙げ精査を行っていったところ、造影CTにて下大静脈内から右腸骨静脈にかけての血栓を認め、また同時に左腎梗塞所見も認めており、深部静脈血栓症からの奇異性塞栓による急性心筋梗塞と診断した。二次予防のため下大静脈フィルターを挿入し、その後はワルファリンによる抗凝固療法を導入し、その他心筋梗塞後の至適薬物療法を行い退院となった。
修正大血管転位症の自然経過中に発症した奇異性塞栓による急性心筋梗塞で示唆に富む症例と考えられるため、文献的な考察を交えてここに報告する。