サトウ タカトシ
  佐藤 孝俊
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 小児各科の協力にてターミナルケアを行ったDuchenne型筋ジストロフィーの成人男性
会議名 第355回東京女子医科大学学会例会
主催者 東京女子医科大学
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎新井里子, 松丸重人, 佐藤孝俊, 七字美延, 石黒久美子, 村上てるみ, 立川恵美子, 工藤恵道, 稲井慶, 石塚喜世伸, 石垣景子, 永田智
発表年月日 2017/02/25
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 37歳男性。5歳時に易転倒性にて当院小児科を受診し、Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)と確定診断を受けた。10歳頃より歩行不能、20歳頃より寝たきりとなった。23歳時より、進行性の呼吸不全に対しNPPV導入を行い、同時期より心筋症の増悪を認め、投薬を開始した。32歳時、食事中に気道閉塞を生じ、心肺停止となった。蘇生に成功したものの、低酸素性虚血性脳症を来し、気管切開下人工呼吸となった。34歳頃より感染を契機に胸水貯留、慢性腎不全が指摘された。家族が小児科でのターミナルケアを強く希望され、腎臓小児科、循環器小児科、小児科3科により、腎不全、心筋症、胸水に対して、入院加療と在宅療養を繰り返した。37歳時、腎不全増悪により小児科病棟にて永眠された。御本人が生前より原疾患の病態解明に対する熱意が強く、剖検の同意が得られた。近年、心不全、呼吸不全に続き、腎不全がDMDの第三の死因として注目され、進行期患者の3割に腎機能障害が報告されている。低心拍出状態の長期化に基づく循環動態の不安定性が原因とされるが、他の筋ジストロフィーでの報告は少なく、病態はまだ不明である。以前は、DMD患者は生涯を通して小児科による診療が行われていたが、対症療法の向上により寿命が20歳から30~40歳へと延長した。年齢相応の患者対応、小児科専門病棟の制限等の観点から、小児科の抱える内科移行の問題点も検討する。