タカギ リヨウ   Takagi Ryo
  高木 亮
   所属   研究施設 研究施設
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル ラミニン-521は個体間の影響が少なく培養ヒト重層扁平上皮細胞の増殖能を維持する
会議名 第48回日本結合組織学会学術大会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎高木亮, 大和雅之
発表年月日 2016/06/24
開催地
(都市, 国名)
長崎市
概要 [目的] 培養表皮角化細胞は、重度熱傷治療のための培養移植グラフトとして臨床研究に応用された細胞種として知られている。さらに、培養重層扁平上皮細胞は異所性培養移植グラフトや同種移植グラフトとしての有用性が示されている。そのため再生医療分野において、重層扁平上皮細胞を効率的に増殖させる培養方法の開発は有用であると考えられる。そこで我々は、ヒト胎盤由来I型コラーゲン、ヒト胎盤由来IV型コラーゲン、リコンビナントヒトラミニン-521に着目して、ヒト重層扁平上皮細胞のコロニー形成能、細胞接着能、細胞増殖能への影響について調べた。
[方法] 上記ECMタンパク質は、1 µg/cm2、4℃で一晩コーティングし、通常の培養皿をコントロールとした。ヒト皮膚および口腔粘膜組織から重層扁平上皮細胞を調製し、低カルシウム培地(KGM-Gold)で培養した。角化細胞の初代培養時では、マイトマイシンC処理した3T3フィーダーレイヤーを用いた。
[結果] 組織から調製直後の角化細胞でコロニー形成能試験を行った結果、コントロールと比較して、いずれのECMにおいても約2倍の形成能上昇が確認された。細胞接着アッセイを行った結果、培養1時間後において各種ECMは有意に細胞接着を促進する事を示した。しかしながら一晩培養した後では、通常の培養皿でも各種ECMコート培養皿と同量の細胞が接着する事が確認された。継代培養を行った結果、ラミニン-521は、I型コラーゲン、IV型コラーゲンと比較して、個体間の影響が少なく、コントロールと比較して有意に細胞増殖能を維持する事が示された。
[結語] 今回比較した各種ECMにおいて、ラミニン-521は、培養重層扁平上皮細胞の増殖能を維持しうる因子である可能性が示唆された。