コバヤシ タツヤ   KOBAYASHI Tatsuya
  小林 達弥
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 神経膠腫摘出の意思決定を支援する人工知能プログラム
会議名 第43回日本脳腫瘍学会学術集会(JSNO2025)
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎村垣善浩, 郡山峻一, 小林達弥, 田村学, 川俣貴一, 長嶋 宏明, 田中一寛, 篠山隆司
発表年月日 2025/12/09
開催地
(都市, 国名)
山形県天童市
開催期間 2025/12/07~2025/12/09
学会抄録 第43回日本脳腫瘍学会学術集会 プログラム・抄録集 292
概要 13:45 ~ 14:20 口演 12 手術
座長 村垣 善浩、木下 学

人口知能(AI)は2020年代に高性能コンピューティングと大量データによる第4世代を迎えたが、デジタルデータのゲノムや画像診断と比較しアナログが多い手術・介護への導入は進んでいない。我々は2004年に神経膠腫摘出のための情報誘導手術を提唱し意思決定に必要な術中MRIを核とする3種情報のデジタル化(DX)とスマート治療室による20+機器のネットワーク化(IoT)を実現した。現在、治療成績の更なる高度均霑化を目的にロボット化とAI利用に取り組んでおり、AI関連プログラム開発研究を報告する。術前手術戦略決定のために、1.画像(MRD と数値(CT/PET等)によるMultimodal AIを用いた3遺伝子分類予測(精度68%, J Neurooncol2020) 2.腫瘍領域と標準脳領域との関係性を示す特徴量を座標軸とする多次元データを用いた症例クラスタリングと重なり度からの類似症例検索(特許出願2022-166300)を開発し、3.AI自動セグメンテーション機能を用いた3DCGによる手術アプローチ立案(東京大学金ら、Grid)を臨床使用した。術中には、4.ナビゲーション精度向上のための畳み込みCNNの新手法W-netを用いたbrain shift予測(最大実測9.6mmが予測3.5mm, p<0.0000L NMC 2023)や上記3の3D画像のナビ利用、5.迅速フローサイトメトリーによ random forestを用いた術中遺伝子分類予測(精度2分類87 - 90%、3分類76%, in press) 6.覚醒下手術時Wav2Vec2を用いた言語停止での失語症鑑別(Fl 84%, IJCARS 2025) 7.MEP 低下部位プロットによるリスクマップ機能予測(IJCARS2023)、等の利用が期待され、術後はACNU化学療法後のデータ重みづけSVMを用いた血球減少時期予測(mean r2=0.81,JCO Clin Cancer Inform 2018)を開発した。DXしたデータベースを持つ情報はAI利用が加速すると考えられ、情報誘導による未来予測手術を実現するとともに、今後はロボットAIによる精密誘導治療の自律化を目指している。