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ロ ブントウ
RO Buntou
呂 聞東 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 嘱託医師 |
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| 言語種別 | 日本語 |
| 発表タイトル | ACNU 単独化学療法による IDH1 変異低悪性度神経膠腫に対する再発抑制効果とコスト評価 |
| 会議名 | 第43回日本脳腫瘍学会学術集会(JSNO2025) |
| 学会区分 | 全国規模の学会 |
| 発表形式 | ポスター掲示 |
| 講演区分 | 一般 |
| 発表者・共同発表者 | ◎生田聡子, 小林達弥, 郡山峻一, 呂聞東, 都築俊介, 田村学, 丸山隆志, 新田雅之, 齋藤太一, 村垣善浩, 川俣貴一 |
| 発表年月日 | 2025/12/08 |
| 開催地 (都市, 国名) |
山形県天童市 |
| 開催期間 | 2025/12/07~2025/12/09 |
| 学会抄録 | 第43回日本脳腫瘍学会学術集会 プログラム・抄録集 201 |
| 概要 | 21:30 ~ 22:00 ポスター 26 成人臨床研究・治療法 1
座長 田中 俊英 【背景・目的】低悪性度神経膠腫(LGG)に対し、昨年米国で変異型IDH1酵素阻害剤vorasidenib(VOR)が認可され今後の国内導入が期待されている。一方国内ではLGGに対しTMZやACNU、PAV化学療法が行われてきたがまとまった成績の報告はない。Vorasidenib導入を前にACNU単独化学療法の治療結果を後方視的に解析し、VORの試験結果と比較するとともに、見込まれる治療費用に関して報告する。 【方法】IDH1変異型LGG患者に対するACNU単独療法のPSFをINDIGO試験結果と比較し、PFS1年延長に要する費用について考察する。 【対象】2000〜2023年、当院で脳腫瘍摘出したIDH1変異型LGG患者のうち、部分摘出または再発のためACNUのみで治療を行った者。費用概算には40代男性平均体格値を用いた。 【結果】対象54例。年齢中央値44才、男性56%、OD47例、DA7例。追跡期間中央値5.4年。初発時部分摘出のため術後ACNU施行24例、再発後ACNUのみ16例、再発後再摘出後ACNU14例、ACNU投与回数中央値8[3-10]回であった。ACNU投与開始後PFSは全例で98.2[95%CI62.9-141.5]ヶ月、OD群では98.2[95%CI68.3-141.5]ヶ月、DA群は62.9[95%CI27.8-103.7]ヶ月であった(p=0.160)。ACNU8回投与にかかる治療費は約23万円で、PFS1年延長あたり2.8万円を要した(VOR40mg/日27.7ヶ月で約1,095千ドル(米市場最低価格で見積、Drugs.com)、PFS1年延長に476千ドル)。 【考察】本症例群のPFSはINDIGO試験でのVORの27.7ヶ月と比べ良好であった。本症例群ではOD比率は高いが、症例数は少ないもののDA群もPFSは2倍以上ありACNUに一定の効果があると考えた。費用面ではPFS1年延長コストは、VORの日本薬価は未定だが、近年の日米薬価比データからの推定でもACNUの約800倍となり費用対効果は高くないようである。 【結語】IDH1変異型LGGの部分摘出または再発に対するACNUの無増悪期間延長に対する効果が示唆され、医療経済的にも優れた化学療法と考えられた。 Keyword:ボラシデニブ,Grade 2,費用対効果 |