|
タムラ マナブ
TAMURA Manabu
田村 学 所属 医学研究科 医学研究科 (医学部医学科をご参照ください) 職種 准教授 |
|
| 言語種別 | 日本語 |
| 発表タイトル | 神経膠腫における文レベル言語処理速度低下の責任病巣の特定:ROI解析による検討 |
| 会議名 | 第30回日本神経精神医学会学術集会 |
| 学会区分 | 全国規模の学会 |
| 発表形式 | ポスター掲示 |
| 講演区分 | 一般 |
| 発表者・共同発表者 | ◎金野竜太, 田村学, 丸山隆志, 村垣善浩, 小山内 綾子 , 久保田 怜美, 二村 明徳, 酒井 邦嘉 |
| 発表年月日 | 2025/12/06 |
| 開催地 (都市, 国名) |
金沢市 |
| 開催期間 | 2025/12/06~2025/12/07 |
| 学会抄録 | 第30回日本神経精神医学会学術集会プログラム抄録集 92 |
| 概要 | 13:45~14:25 ポスター発表8
座長:金野 竜太(昭和医科大学藤が丘病院 脳神経内科) 布村 明彦(東京都立松沢病院) 【目的】びまん性神経膠腫は認知機能障害を引き起こし、語彙レベルだけでなく文レベルでも言語処理速度が低下することが知られている。しかし、文レベルでの処理速度低下の責任病巣は十分に解明されていない。本研究は、神経膠腫による文レベルの 言語処理速度低下の責任病巣を明らかにすることを目的とした。 【方法】左半球に神経膠腫を有する患者28例を対象とした。課題には先行研究で作成 した「文と絵のマッチング課題」を使用し、課題施行時の反応時間を測定した。条件として、他動詞を用いた「主語・目的語・他動詞」の文(他動詞文条件)と、自動詞を用いた「主語・自動詞」の文(自動詞文条件)の2種類を用いた。他動詞文は文構造が複雑であるため、両条件の反応時間差は文レベルの処理速度低下を反映すると推測された。病巣部位と処理速度の関連を明らかにするため、関心領域(ROI)に基づく解析(ROI-based lesion symptom mapping)を行った。解析手順として、まず患者のMRI画像から病変画像を作成し、JHU atlasに基づきROIを設定して病変を分割した。各ROIについて、神経膠腫がある患者群とない患者群の2群に分けて群間比較を行い、有意差を認めた領域を文処理速度の責任病巣と推定した。 【倫理的配慮】本研究は東京大学および東京女子医科大学の倫理審査委員会の承認を得て実施し、すべての参加者から文書によるインフォームドコンセントを取得した。 【結果】他動詞文条件と自動詞文条件の反応時間差は、左上側頭回に神経膠腫を有する患者で、その他の患者より有意に大きいことが明らかとなった。 【考察】本研究より、左上側頭回が文レベルの言語処理速度低下の責任病巣であることが推定された。この結果は、神経膠腫における文レベル言語障害の理解を進めるものである。 |