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コバヤシ タツヤ
KOBAYASHI Tatsuya
小林 達弥 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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| 言語種別 | 日本語 |
| 発表タイトル | 術後補足運動野症候群における神経精神症状について |
| 会議名 | 第30回日本神経精神医学会学術集会 |
| 学会区分 | 全国規模の学会 |
| 発表形式 | 口頭 |
| 講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
| 発表者・共同発表者 | ◎田村学, 角田明子, 呂聞東, 齋藤太一, 都築俊介, 郡山峻一, 小林達弥, 川俣貴一, 若林秀隆, 村垣善浩 |
| 発表年月日 | 2025/12/06 |
| 開催地 (都市, 国名) |
金沢市 |
| 開催期間 | 2025/12/06~2025/12/07 |
| 学会抄録 | 第30回日本神経精神医学会学術集会プログラム抄録集 34 |
| 概要 | シンポジウム1「精神神経症状と大脳白質」
座長:金野 竜太先生(昭和医科大学藤が丘病院 脳神経内科) 橋本 衛先生(近畿大学医学部 精神神経科学教室) 日時:12月6日(土)15:35~17:05 【目的】前頭葉に局在する腫瘍摘出後に生じる補足運動野症候群の神経機能回復過程に関する統一的な見解として定まった報告は少ない。本研究では、補足運動野近傍の腫瘍切除術を受けた神経膠腫患者について、腫瘍切除範囲について分類し、運動機能、高次脳機能、日常生活動作の遂行能力及び社会復帰との関連性を後方視的に明らかにすることを目的とした。 【方法】24例の連続患者を、腫瘍切除の深さに応じて3群に分類した:(A)補足運動野のみを切除した群(5例)、(B)補足運動野と帯状回を切除した群(11例)、(C)補足運動野、帯状回、および脳梁を切除した群(8例)。術中および術後2ヶ月時点で運動麻痺、言語機能、日常生活動作能力を評価し、社会的復帰の可否について後方視的に検討した。 【結果】切除深度は補足運動野症候群の持続期間および歩行可能までの時間を延長する傾向があり、グループCでは手術後62%の患者に重度の麻痺が認められ、回復が遅く、歩行開始が遅延した(p = 0.0869)o左半球の腫瘍、特に帯状回と脳梁に及ぶ腫瘍を有する患者では、術後の単語想起スコアが低下したが、2ヶ月後に回復が観察された。日常生活動作能力を示すスコア(FIM)は、グループCで術前と術後で最も大きな差を示した。WHO腫瘍病理グレード(p=0.0445)および腫瘍切除の範囲(p= 0.0011)は、術後6ヶ月後の社会復帰と逆相関を示した。 【考察】手術における切除深度と病理診断は、開頭術後約6ヶ月における患者の早期社会復帰に影響すると示唆された。社会復帰を支援するリハビリテーションを並行して行い、周術期の画像解析結果とあわせた切除深度や病理診断の情報を周術期積極的に共有し、運動機能・認知機能・ADL活動の再獲得促進及び評価を積極的行うことは神経精神機能を保持する上で重要であると思われた。 |