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ニツタ マサユキ
NITSUTA Masayuki
新田 雅之 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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| 言語種別 | 日本語 |
| 発表タイトル | ACNU単独化学療法によるIDH1変異低悪性度神経膠腫に対する再発抑制効果 |
| 会議名 | 日本脳神経外科学会第84回学術総会 |
| 学会区分 | 全国規模の学会 |
| 発表形式 | ポスター掲示 |
| 講演区分 | 一般 |
| 発表者・共同発表者 | ◎生田聡子, 小林達弥, 郡山峻一, 呂聞東, 丸山隆志, 都築俊介, 田村学, 新田雅之, 齋藤太一, 村垣善浩, 川俣貴一 |
| 発表年月日 | 2025/10/29 |
| 開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
| 開催期間 | 2025/10/29~2025/11/01 |
| 学会抄録 | 日本脳神経外科学会第84回学術総会 プログラム(Web抄録) |
| 概要 | 【背景・目的】低悪性度神経膠腫(以下LGG)に対し、昨年米国で変異型IDH1酵素阻害剤vorasidenibが認可され、今後の国内導入が期待される。一方、国内ではIDH変異LGGに対し、TMZやACNUあるいはPAV化学療法が行われてきたが、まとまった成績の報告はなくvorasidenib 導入を前にACNU単独化学療法の治療結果を後方視的に検討し、文献上のvorasidenibの結果と比較したので報告する。
【方法】IDH1変異型LGG患者において、ACNU治療開始からのPSFをvorasidenibの結果と比較する。さらに一変量によりACNUの効果が高い群を検索する。ACNUは体表面積当たり80mg、8週ごと6~8回投与した。 【対象】2000~2023年、当院で脳腫瘍摘出を行った18歳以上、初発IDH1変異型LGG患者のうち、部分摘出または再発でACNUのみで治療を行った患者。 【結果】初発LGG453例中、対象54例。年齢中央値44才、男性56%、前頭葉38例(70%)、OD 47例(87%)、DA 7例(13%)。初発時部分摘出で術後ACNU施行24例、再発後ACNUのみで治療16例、再発後再度摘出しACNU施行15例、ACNUの投与回数中央値8[3-10]回。直近の手術からACNU開始までの期間中央値 2.3 [0.4-158.2]ヶ月であった。ACNU投与開始からのPFSは全例で98.2 [95%CI 62.9-141.5] ヶ月だが、ODでは98.2 [95%CI 68.3-141.5]ヶ月、DAでは62.9 [95%CI 27.8-103.7]ヶ月であった(ACNU開始後追跡期間中央値 5.4年)。ACNU投与直近手術での摘出率が60%以下ではACNUの効果は有意に低下した(36.9ヶ月 対 103.7ヶ月, HR 2.92(95%CI 1.10, 7.73,p=0.031)。 【考察】INDIGO試験でのプラセボ群PFS11.1ヶ月をはるかに超え、vorasidenib PFS 27.7ヶ月と比較しても遜色ない結果であった。本症例群ではINDIGO試験に比べODの比率が高いことが要因ではあるが、症例数は少ないもののDA群であってもPFSは長く、ACNUに一定の効果があると考えられた。 【結語】IDH1変異型LGG の部分摘出または再発に対するACNUの無増悪期間に対する効果は十分認められる。 |