オマタ タク
OMATA Taku
小俣 卓 所属 医学部 医学科(附属八千代医療センター) 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 小児抗NMDA受容体脳炎の早期治療における“自己免疫性脳炎診断アプローチ”の有用性 |
会議名 | 第62回日本小児神経学会学術集会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小俣卓, 藤本遼, 村上淑, 児玉一男, 青山弘美 |
発表年月日 | 2020/08/18 |
開催地 (都市, 国名) |
WEB |
開催期間 | 2020/08/18~2020/08/20 |
概要 | 【目的】抗NMDA受容体脳炎をはじめとするニューロン表面抗体による自己免疫性脳炎では,免疫治療が有効であるが,無治療では回復までに非常に長い期間を要し,急性期に死に至る場合や,後遺症を残す場合もあるため,早期発見と早期治療は非常に重要である.Grausらを中心とした研究グループによる,早期治療のための自己免疫性脳炎の診断アプローチが提唱されており,当院での症例を元に有用性を検討した.【方法】当院で治療した4例の抗NMDA受容体脳炎症例と,11例の抗NMDA受容体抗体を測定(GluN1を発現させた細胞を抗原とするCBA法)した症例の合計15例が,入院時に自己免疫性脳炎として"Possible"であったか,後方視的に検討した.【結果】当院で治療した4例の抗NMDA受容体脳炎(抗体陽性)はすべて"Possible"であった.11例の抗体測定した症例では,3例が"Possible"で,このうち2例が抗体陽性であった.抗NMDA受容体脳炎の診断(抗体陽性)に関する"Possible"の感度は100%,特異度は87.5%であった.【考察】感度,特異度から,抗NMDA受容体脳炎の早期治療に,診断アプローチが小児においても非常に有用であることが確認できた.1例の"Possible"で抗体陰性の症例は,“抗体陰性だが自己免疫性脳炎としてProbable”の基準に合致しており,ステロイドパルス療法が有用で可逆的な経過であったことから,何らかのニューロン表面抗体が関与していた可能性が考えられた.【結語】診断アプローチの有用性が小児でも確認できた.ニューロン表面抗体による自己免疫性脳炎では免疫療法が有効であり,"Possible"であれば速やかに治療開始すべきである. |