タムラ マナブ
TAMURA Manabu
田村 学 所属 医学研究科 医学研究科 (医学部医学科をご参照ください) 職種 准教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 運動野近傍神経膠腫の覚醒下手術における刺入型電極ディープマッピング併用に よる合併症回避の工夫 |
会議名 | 第30回日本脳腫瘍の外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小林達弥, 丸山隆志, 郡山峻一, 呂聞東, 小森隆司, 田村学, 新田雅之, 斎藤太一, 村垣善浩, 川俣貴一 |
発表年月日 | 2025/09/13 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 |
開催期間 | 2025/09/12~2025/09/13 |
学会抄録 | 第30回日本脳腫瘍の外科学会 プログラム・抄録集 195 |
概要 | 14:00~15:05 一般演題19 グリオーマ2
座長:佐々木 光(東京歯科大学市川総合病院 脳神経外科) 篠山 隆司(神戸大学 脳神経外科) 運動野近傍に発生する神経膠腫に対する外科的治療では、術後の運動機能を可能な限り温存しつつ腫 瘍を最大限に摘出することが重要課題である。特に、腫瘍による圧排や変位によって本来の位置から 逸脱した錐体路の走行を術中に的確に把握し、損傷を避けることが最大限の腫瘍摘出の鍵となる。近 年、電気生理学的白質マッピングの進歩により、摘出可能な範囲は広がってきたが、従来の表面刺激 プローブのみでは深部白質路の三次元的位置関係を把握するには限界があり、結果として過大切除や 過小切除のリスクが残されている。当科では近年、運動野または錐体路近傍に腫瘍を有する患者に対 し、覚醒下脳腫瘍摘出術において表面刺激プローブに加え、刺入型刺激プローブを併用する手法を導 入し、さらに術中MRI ナビゲーションを組み合わせることで、腫瘍摘出操作の正確性と安全性を共 に高めることが可能となった。この方法では、白質刺激に対して陽性反応が得られない場合でも、摘 出予定方向に向かって電極を1mm ずつ段階的に刺入し、持続的に低電流刺激を加えることで、錐体 路の反応位置を逐次同定し、その立体走行をリアルタイムで可視化する。本手法は、DTI (拡散テン ソル画像)による描出が困難な高度浮腫を伴う症例や、解剖学的バリエーションのある症例において も有効であり、術中に明瞭な機能的境界を提示することができる。これにより、白質路温存の信頼性 が向上し、従来であれば切除を躊躇するような錐体路近傍の深在部に対しても、functional tunnel(機 能的通路)を確認しつつ、切除面形成を安全に行うことが可能となる。本報告では、実際に本手法を 適用した4 症例について、具体的な刺激条件、使用時の注意点、ならびに術中の工夫(tips) を交えて 使用経験に基づもて報告する。 |