カワマタ タカカズ   KAWAMATA Takakazu
  川俣 貴一
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授・基幹分野長
言語種別 日本語
発表タイトル 神経膠腫に対する攻める覚醒下手術・守る覚醒下手術の後方視的比較
会議名 第23回日本Awake Surgery学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎郡山峻一, 小林達弥, 呂聞東, 丸山隆志, 新田雅之, 齋藤太一, 村垣善浩, 川俣貴一
発表年月日 2025/07/12
開催地
(都市, 国名)
福島市
開催期間 2025/07/12~2025/07/12
学会抄録 第23回日本Awake Surgery学会 プログラム・抄録集 39
概要 シンポジウム2 手術戦略 15:50 ~ 16:44 S2-02 
座長:隈部 俊宏(北里大学医学部脳神経外科) 成田 善孝(国立がん研究センター脳脊髄腫瘍科)
神経膠腫に対する覚醒下手術においては、機能温存と腫瘍摘出率(extent of resection: EOR)のバランス をより最適化することが求められる。当院では、覚醒下手術を行う際に、「攻める覚醒下手術(機能野に近 接しながらも積極的に摘出を図る戦略)」と、「守る覚醒下手術(機能温存を最優先にする戦略)」を症例特 性に応じて使い分けてきた。攻める戦略では、high-grade glioma が想定される症例や、機能野への浸潤が 限定的な症例を対象に、術中タスク負荷に耐えうることを条件に、軽微なタスクエラーが出現してもリハ ビリテーションによる改善を期待して摘出を継続し、積極的な腫瘍摘出を図っている。一方、守る戦略で は、oligodendroglioma など放射線化学療法による腫瘍コントロールが期待できる症例や、機能野に広範な 浸潤を認める症例において、タスクエラー出現閾値を低めに設定し、機能温存を最優先に摘出を早期に終 了している。本発表では、これらの戦略を適用した覚醒下手術例を対象に、EOR、術後合併症率、退院時 KPS、永続的機能障害率を後方視的に検討し、攻める戦略と守る戦略の特徴と成績の比較を行う。さらに、 近年、術中リアルタイム PCR による IDH1/2 変異、pTERT 変異の迅速診断が可能となったことで、分子 プロファイルに基づく術中戦略決定も現実的になりつつある。特に、oligodendroglioma が疑われる症例で は機能温存を優先し、high-grade glioma が疑われる症例では、より積極的な摘出に術中に方針転換する判 断が可能となっている。術中診断を組み合わせた最近の取り組みについても併せて報告する。