ツヅキ シュンスケ
TSUZUKI Shunsuke
都築 俊介 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 経頭蓋運動誘発電位の術中動向可視化による術後麻痺予測 |
会議名 | 第25回日本日本術中画像情報学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎田村学, 桑野淳, 浅野秀胤, 山口智子, GOMEZ-TAMESJose, 呂聞東, 郡山峻一, 小林達弥, 都築俊介, 川俣貴一, 正宗賢, 村垣善浩 |
発表年月日 | 2025/06/28 |
開催地 (都市, 国名) |
京都市 |
開催期間 | 2025/06/28~2025/06/28 |
学会抄録 | 第25回日本日本術中画像情報学会 プログラム・抄録集 31 |
概要 | シンポジウム 2 術中モニタリングの限界と挑戦 9:50~10:54
S2-4 【目的】神経膠腫摘出手術の主な目標は、腫瘍の最大限切除と脳機能の維持である。術中運動誘発電位(MEP)モ ニタリングは、術後の麻痺を予測し最小限に抑えるため一般的に使用されている。しかし、術中 MEP の動向と術 後の麻痺に関する研究は少ない。本研究では、術中経頭蓋 MEP の動向と術後麻痺の関係を明らかにすることを目 的とした。 【方法】2019 年 10 月から 2022 年12月の間に当施設で全身麻酔下に腫瘍摘出術を受けた術前麻痺のないテント上 グリオーマ患者 229 名(内訳は平均 45.8 歳、男性 144 名、初回手術 119 名、病理 WHO 分類 G1-9、G2-31、G3-70、 G4-119 名)を対象とし後方視的解析を試みた。術中の経頭蓋 MEP モニタリングを実施し、患側と健側の MEP の 全動向を可視化した。術後の麻痺と患者関連因子を分析し統計学的解析を行った。 【結果】229 名中、術後麻痺は36名(内訳は平均 50.8 歳、男性 26 名、初回手術 21 名、病理 WHO 分類 G1-1、G2- 3、G3-7、G4-25 名)に発生し、30 名の麻痺は時間の経過とともに改善するも、6 名の患者では永続的に麻痺が残 存した。麻痺改善グループでは、経頭蓋 MEP の一時的な減少を認めるも急速に改善した。経頭蓋 MEP が対照値の 50%未満であった場合でも、減少後に改善を示すといった変動が観察された。一方で永久的な麻痺グループでは、経 頭蓋 MEP は、最初の減少後、一貫して手術終了時まで対照値の 50%未満のままであった。永久的な麻痺に大きく 影響する要因は、錐体路に近い腫瘍の局在(p = 0.0304)と術後の錐体路の脳梗塞(p = 0.0009)であった。 【結論】手術中の経頭蓋 MEP の全体的な動向は、神経膠腫手術における術後麻痺のリスクを反映する可能性を示し た。手術中この動向を視覚化することで、術後麻痺を予測できると考えられた。 |