タカナシ ジユンイチ
TAKANASHI Jiyun'ichi
髙梨 潤一 所属 医学部 医学科(附属八千代医療センター) 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | AESDに対するミトコンドリアカクテル薬の有効性と今後の課題を含めた報告 |
会議名 | 第66回日本小児神経学会学術集会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小俣卓, 川口理紗, 藤本遼, 青山弘美, 髙梨潤一 |
発表年月日 | 2024/05/30 |
開催地 (都市, 国名) |
愛知県名古屋市 |
開催期間 | 2024/05/29~2024/06/01 |
概要 | 【背景】二相性けいれんと遅発性拡散能低下を伴う急性脳症(AESD)を,遅延性熱性けいれん(PFC)と区別することは入院時には困難であるが,病態からは早期の治療介入が望まれる.発熱に伴うけいれん重積で入院し,早期ミトコンドリアカクテル薬投与症例と非投与症例の比較検討を行なったので,今後の展望を含めて報告する.【方法】発熱に伴うけいれん重積で入院し,ミトコンドリアカクテルを24時間以内に投与された16例と,24時間以内に投与されなかった39例を後方視的に研究した.ミトコンドリアカクテルはビタミンB1,C,E,ビオチン,コエンザイムQ10,L-カルニチンとした.【結果】ミトコンドリアカクテル投与群は非投与群に比べてAESDへの進展割合が低かったが(投与群7.2%,非投与群18.9%),統計学的有意差はなかった.【考察】本研究では,ミトコンドリアカクテルが有効である可能性を示すことはできたものの,有意差を示すことはできなかった.この研究の限界には,ミトコンドリアカクテルの有効性を評価することが難しいことが含まれる.有効であれば,治療を受けなければAESDを発症していたであろう患者の最終診断がPFCに変更される可能性がある一方で,投与せずにPFCと診断される患者もいる.施設の特性上,様々な慢性疾患を抱えた症例が多く,急性脳症の高い発生率に影響している可能性もある.入院時に診断を確定することは依然として困難であるが,初回のけいれん重積時に,MRI arterial spin labelling (ASL)法ではのちにBTAを呈する部分が低灌流を呈すとする報告もあり,今後ASL法での早期評価とMRSでの病態解析を行うことで,薬の有効性評価を行うことを検討中である. |