ツヅキ シユンスケ
Tsudzuki Shiyunsuke
都築 俊介 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 初発膠芽腫に対する自家腫瘍ワクチン療法のリアルワールドデータと免疫組織学的検討 |
会議名 | 日本脳神経外科学会 第83回学術総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎郡山峻一, 新田雅之, 都築俊介, 呂聞東, 小森隆司, 増井憲太, 村垣善浩, 川俣貴一 |
発表年月日 | 2024/10/17 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
開催期間 | 2024/10/16~2024/10/18 |
学会抄録 | Neurologia medico-chirurgica 2024 日本脳神経外科学会 第83回学術総会 プログラム |
概要 | 【背景】膠芽腫(GBM)に対する治療法が近年開発されてきているものの、未だ予後不良な悪性新生物である。我々の施設では膠芽腫に対する標準治療であるテモゾロミド併用放射線化学療法に加えて自家腫瘍ワクチンを用いた術後補助療法を従来臨床研究として行ってきた。自家腫瘍ワクチンのP3 医師主導試験が現在進行中であるが、現在までに施行した初発GBM に対する自家腫瘍ワクチンのリアルワールドデータ及び分子マーカーとの相関を報告する。
【方法】2005 年から2021 年までに当院で治療を行った初発GBM 患者402 症例(AFTV 群:158 例、non-AFTV 群:244 例)を対象とした。両群を比較するとPFS 中央値が15.0 か月、7.8 か月(p<0.01)、OS 中央値は31.3 か月、19.4 か月(p<0.01)といずれもAFTV 群に有意な予後延長効果が認められた。GTR 群60 例においてはPFS が18.4 か月、OS が42.4 か月とさらに予後延長効果が示されたことがわかった。従来予後が悪いとされていた高齢者GBM115 例(AFTV 群:27 例、non-AFTV 群:86 例)においても同様に、PFS が14.2 か月、6.3 か月(p<0.01)、OS が27.3 か月、15.1 か月(p<0.01)と治療効果が確認された。また、初回治療開始から6 か月以内に早期再発した131 例(AFTV 群:33 例、non-AFTV 群:98 例)においても、OS が15.1 か月、9.4 か月(p<0.01)と治療効果が確認された。PDL-1 の発現を解析できた53 症例を解析したところ、PDL-1 発現のあった11 症例ではOS 中央値が28.4 か月であったが、発現のない42 症例ではOS は35.3 か月とAFTV の治療効果が高い傾向にあった。 【結語】AFTV 療法による予後延長効果が統計的に確認された。全摘出群では特に治療効果が確認されており、さらに従来予後不良とされていた高齢者や早期再発症例であっても予後延長効果が認められた。PDL-1 発現のない症例ではAFTV の治療効果が有意に高く、AFTV 臨床試験においてもPDL-1 発現解析は重要と考えられる。現在医師主導試験が進行中であるが、将来AFTV も含めた集学的治療で飛躍的な予後延長が期待できる可能性がある。 |