ムラカミ マサト   Murakami Masato
  村上 理人
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル Hyper SCOT を用いた定位複合情報誘導手術と不随意運動疾患の病態生理究明
会議名 日本脳神経外科学会 第83回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎村上理人, 堀澤士朗, 吉光喜太郎, 金吉秀, 清水篤, 岩間清太郎, 牛場潤一, 村垣善浩, 平孝臣, 川俣貴一
発表年月日 2024/10/16
開催地
(都市, 国名)
横浜市
開催期間 2024/10/16~2024/10/18
学会抄録 Neurologia medico-chirurgica  2024
日本脳神経外科学会 第83回学術総会
概要 Hyper SCOT を用いた定位複合情報誘導手術と不随意運動疾患の病態生理究明
村上理人1,3、堀澤士朗1、吉光喜太郎2、金吉秀1、清水篤1、岩間清太郎3、牛場潤一3、村垣善浩4、平孝臣1,5、川俣貴一1
SCOT: Smart Cyber Operating Theater は様々な医療機器の情報を一元的に管理することで手術情報を時間同期させて術者に提供する手術室であり、主に手術室に備えたOpen MRI を活用し脳腫瘍摘出術に用いられてきた。そのフラッグシップモデルであるHyper SCOT が2019 年に当院に導入されている。我々は、ジストニアや振戦などの不随意運動疾患に対して定位脳凝固術や脳深部刺激療法といった定位脳手術で治療を行っている。Brainlab Elements が有するAnatomical Mapping によって脳構造を極めて高い精度で描出し、更にnavigation 下transcranial magnetic stimulation によって皮質上の体部位局在を同定、Fibertracking によってその皮質からの神経繊維を描出して標的内の体部位局在を推定してターゲットを設定する。これらの情報を、Hyper SCOT に導入されているBrainlab 社製ナビゲーションシステムにて統合して手術を行う。専用冶具を作成し凝固針や穿刺針の先端を正確にcalibration することで手術中のリアルタイムな凝固針や穿刺針の先端位置、刺入経路などを把握しつつ手術を進行することを可能とした。これらは手術精度を向上させ、定位脳手術おける安全性や有効性に計り知れない影響を与えている。
並行して術中にlocal field potential を測定するため、凝固針に装着する脳波計の開発を行っており、頭皮上脳波とのcoherenceの検証を予定している。これにnavigation からの画像情報を統合することで、凝固部位を決定すると共に神経生理学および電気生理学的側面から各疾患の病態生理の究明を試みる。
またOpen MRI やCone-beam CT を用いて画像情報をアップデートし、術中にlesion および電極留置位置の確認を行うことで、術中に有効性や追加治療の必要性を検討する。これら全ての情報をHyper SCOT にて統合することで、より高精度で緻密・精密な手術の実現を目指しつつ、病態生理の究明を目指す我々の取り組みを紹介する。