ロ ブントウ   Ro Buntou
  呂 聞東
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   嘱託医師
言語種別 日本語
発表タイトル 術中MRI の適正運用及び社会実装に向けた産学連携
会議名 日本脳神経外科学会 第83回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎田村学, 都築俊介, 郡山峻一, 呂聞東, 丸山隆志, 川俣貴一, 正宗賢, 伊関洋, 村垣善浩
発表年月日 2024/10/17
開催地
(都市, 国名)
横浜市
開催期間 2024/10/16~2024/10/18
学会抄録 Neurologia medico-chirurgica  2024
日本脳神経外科学会 第83回学術総会 プログラム
概要 術中MRI の適正運用及び社会実装に向けた産学連携
田村学1,2,3、都築俊介1、郡山峻一1、呂聞東1、丸山隆志1、川俣貴一1、正宗賢2,3、伊関洋3、村垣善浩1,2,3,4
 手術室での術中MRI 撮影は、1993 年米国にて脳腫瘍摘出術に行われたのが最初とされ、主目的は実質臓器に存在する腫瘍等の病変摘出のコントロールである。また、手術合併症の術中同定も注目され、我々の施設でも2000 例超の使用経験を通じ、止血済みと考えた術野で血腫が同定できた例のみならず、術野以外の出血や梗塞の同定、そして想定外のインシデントやアクシデントの同定と原因究明に有用であった(NMC, 2024)。日本では2000 年初号機導入後、34 施設(2022 年現在)を数えるが、MRI磁場強度は異なり、画像データ登録を含め施設運用が統一されていない。
 このため、低・中低磁場と高磁場MRI 機器それぞれに大別した画質取得の適正度、安全性、医療経済性、保守等について課題と解決策まで踏み込んだ検討を目的とし、各施設撮像MRI 画像のデータベース化と日本発手術データ解析の基盤構築が望まれる。その上で、術中MRI ガイドラインを基本に適正使用のためのトレーニング、実施医や基準の策定等の学会主導の働きかけを通じ、医療の継続的質向上と外科治療全体が与る社会的効果向上が強く望まれている。
 一方で、術中MRI 開発企業にとって保険収載評価は、医療機器導入先医療機関の経営、及び開発医療機器を安定的に製造・供給する義務をもつ企業において死活問題である。企業側は開発した医療機器を用いる医療技術が診療報酬において未評価あるいは未収載の場合、新規技術料の設定や機器の使用加算の設定を求める動きは当然出てくる。こうした経緯から学会側と企業側双方において保険収載のための取り組みがなされた結果、ようやく一部機種での保険収載が実現した。この保険収載に向け、学会連携による取り組みがより効果的であったとするレギュラトリーサイエンス研究(RS 学誌,2023)について報告する。現在高磁場MRI 機器を含めより多くの機種と適応疾患の拡大に向けた取り組みが望まれており、企業と医学関連学会との適正な連携を通じ社会実装に取り組むことは必要不可欠と思われる。