タムラ マナブ   Tamura Manabu
  田村 学
   所属   研究施設 研究施設
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 脳腫瘍に対する橋渡し研究
~施行中の医師主導治験を中心に~
会議名 日本脳神経外科学会 第83回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎石川栄一, 松田真秀, 杉井成志, 三木俊一郎, 中井啓, 熊田博明, 橋本幸一, 櫻井英幸, 田村学, 大野忠夫, 村垣善浩, Cellm-001 治験グループ8
発表年月日 2024/10/17
開催地
(都市, 国名)
横浜市
開催期間 2024/10/16~2024/10/18
学会抄録 Neurologia medico-chirurgica  2024
日本脳神経外科学会 第83回学術総会 プログラム
概要 【目的】医学発展において橋渡し研究を含む臨床研究の重要性については議論の余地がない。近年本邦においてこれらの臨床研究が法的整備され、手術手技の臨床研究および観察研究を除く「医薬品等の臨床研究」のうち治験に対してはGCP 省令に基づく法律を、特定臨床研究に対しては臨床研究法に基づく実施基準を遵守義務となった。当院では医師主導治験および特定臨床研究を積極的に行っており現在、脳神経外科・脳卒中科・放射線腫瘍科が深く関わる脳神経外科領域の医師主導治験を3 本、これらの科の主導で行っている特定臨床研究を15 本施行中である。本発表では施行中の医師主導治験を中心に臨床試験の流れを解説していきたい。
【方法・対象・結果】我々は、理化学研究所とともに悪性神経膠腫に対し自己の腫瘍抗原を接種する自家腫瘍ワクチン(AFTV)の開発を行ってきた。初期の安全性試験実施後に、初発膠芽腫患者を対象にAFTV と化学放射線治療を併用した第I/IIa 相多施設共同試験などを行い3 年生存率38 %と良好な結果を得たため、2013 年より二重盲検ランダム化第IIb 相試験を開始した。画像診断で腫瘍を全摘出した患者の3 年PFS 率がプラセボ群46 %に対しAFTV 群81 %と良好な傾向があったため、全摘出症例に対して2020 年10 月よりAMED 事業(2021 年度まで課題番号【20lm0203124 】2022 年度より【22nk0101228 】)として医師主導治験を施行中である。また、2011 年まで行ってきた研究用原子炉を用いたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)臨床研究および現在も継続しているBNCT 関連の基礎的研究の成果として、2011 年より施行の筑波大学、高エネルギー加速器研究開発機構、茨城県などによる新規中性子線源の開発、および2022 年より施行の初発膠芽腫に対する新型高出力中性子線源を用いた加速器ホウ素中性子捕捉療法装置(iBNCT001)の第I 相医師主導治験(AMED 課題名:初発悪性神経膠腫に対する新型高出力中性子線源を用いたホウ素中性子捕捉療法の安全性試験、課題番号【22ym0126086h001 】)についても触れたい。