フジタ キヨウヘイ   Fujita Kiyouhei
  藤田 恭平
   所属   医学部 医学科
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル Obscurinおよび Obscurin-like 1の欠失は拡張機能障害とHFpEFに特徴的な分子変化を引き起こす
会議名 第70回 日本心臓病学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎藤田恭平, PetterRudbaeck, AntonioKourieh, PatrickDesmond, Valeria Marocco, JordanBlondelle, MatusSotak, Meenu Rajan, Eric Esteve, Anush Velmurugan, Stephanie Myers, Yunghang Chan, MadisonClark, Matthew Wright, YusuGu, NancyDalton, Majid Ghassemian, Matthew Klos, Emma Borgeson, Kirk Peterson, StephanLange
発表年月日 2022/09/23
開催地
(都市, 国名)
京都府京都市
概要 筋タンパクであるObscurinタンパクファミリはサルコメアの組織化, さらには筋小胞体(SR)および筋鞘の構造と機能に重要な役割を果たしている。しかしながらObscurinファミリタンパクの生物学的な役割や心臓疾患での関与は未だに解明されていない。本研究ではobscurinとその近縁ホモログであるobscurin-like 1(Obsl1)が心臓の発達・機能において果たす役割を評価する。
ObscurinもしくはObsl1 single knockout (KO)マウスは正常に発育するが、顕微鏡そしてプロテオームレベルでSRの構造と機能は劇的に変化した。Obscurin/Obsl1 double KOマウス(dKOマウス)は、血行動態解析におけるTauおよびMin dP/dTの増加、あるいはE/E'比の上昇によって示される弛緩障害などHFpEFで見られる多くの特徴を持つ加齢依存性の拡張機能不全を示した。さらにdKOマウスは心不全に特徴的な代謝変化とミトコンドリアの構造・代謝回転障害の兆候を示した。dKOマウス肺はシデロファージ量が増加し、慢性的な肺うっ血と肺浮腫を示唆している。高脂肪食と一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤L-NAMEを経口投与して誘発した高血圧のTwo hit HFpEFモデルマウスと、我々のdKOマウスにおける分子変化を比較検討した。プロテオーム解析により、心筋代謝、ミトコンドリアおよびSR構造、さらにERストレスマーカーにおいて、2つのモデル間で顕著な差が存在した。しかし、eNOSのリン酸化低下やiNOS発現の増加など、意外な共通点も存在した。さらにHFpEF two hitモデルでのobscurinとObsl1の発現は性差によって変化した。両モデルは心臓機能で類似性を示すものの分子的に大きな相違が存在するが、dKOマウスでのHFpEFの病因に関与することが知られるNOSシグナルの変化はtwo hit HFpEFモデルマウスと類似していた。以上からobscurin/Obsl1 dKOマウスは加齢依存性の拡張機能不全とHFpEFを評価する新たなモデルマウスであることが示唆された。