タムラ マナブ   Tamura Manabu
  田村 学
   所属   研究施設 研究施設
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 運動野近傍glioma覚醒下摘出の術前経頭蓋磁気刺激検査は術中運動野同定に有用である
会議名 日本脳神経外科学会 第82回学術総会
主催者 一般社団法人 日本脳神経外科学会
学会区分 国際学会及び海外の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎田村学, 桑野淳, 都築俊介, 齋藤太一, 川俣貴一, 正宗賢, 村垣善浩
発表年月日 2023/10/25
開催地
(都市, 国名)
横浜市
開催期間 2023/10/25~2023/10/27
学会抄録 Web abstracts 1130
概要 【目的】運動野近傍の神経膠腫摘出において、術前後のナビゲーション下経頭蓋磁気刺激(navigated transcranial magnetic stimulation: nTMS)の結果から、術後麻痺回復予測についてnTMSの有用性を以前報告した(TakakuraらJNS )。術後のリハビリ応用に向けた取り組みとして、術前nTMS検査閾値及び運動野予測と覚醒下手術中の電気刺激マッピング(DES)所見について比較を行った。
【対象および方法】中心前回近傍神経膠腫について術前nTMSの同意が得られた連続17例の前向き観察研究において、覚醒下症例16例(40±12歳,男性9, 初発10, 左側8, WHO grade 2:5, G3:10, G4:1)を対象とした。術前nTMSによるマッピングは、対側短母指外転筋(APB)標的として安静時刺激閾値(RMT)と共にMEP測定を実施し最大振幅記録部位(hot spot)を同定し、腫瘍局在により口輪筋や全脛骨筋を標的に加えた。安静時MEP誘発が困難な症例は賦活下にhot spotを同定した。術中脳表にて覚醒下DESを行い、摘出中皮質下で同定した運動野とあわせ、術前nTMSと位置比較を行った。
【結果】術前nTMSでAPBを含め標的筋に対応する脳表マッピングを行った16例において、賦活下での5例を含め全例でhot spotが同定された。脳表の覚醒下DESで運動野は11例で同定されたが、このうち8例(72.7%)は術前nTMSマッピング部位と一致した。また、賦活を行わないRMTで実施された11例のnTMSの関心部位のうち8例が実際の脳表DES位置と一致し、賦活下で行った5例は覚醒下脳表DESで腫瘍周囲関心運動野同定が全て不可能であった(P=0.026, Fisherの正確検定)。閾値上昇のため腫瘍周囲マッピングが困難となった可能性が考察されるが、摘出中も皮質下DESを行い覚醒下摘出16例中14例で関心部位を同定した。術中麻痺は13例で認め全てMEP低下所見を伴った。
【結語】術中MEP併用した覚醒下運動野近傍Glioma摘出において、術前nTMSは術中運動野同定及び摘出計画立案に的確な示唆を与え有用である。