マルヤマ タカシ
MARUYAMA Takashi
丸山 隆志 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | T2-FLAIRミスマッチサイン陰性非造影病変におけるFLAIR所見を用いたIDH-statusの鑑別 |
会議名 | 日本脳神経外科学会 第82回学術総会 |
主催者 | 一般社団法人 日本脳神経外科学会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎池亀 由香, 矢野 大仁:, 大村 一史, 熊谷 信利, 安田 祥二, 加藤 貴之, 三輪 和弘, 丸山隆志, 村垣善浩, 熊谷 守雄, 篠田 淳 |
発表年月日 | 2023/10/25 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
開催期間 | 2023/10/25~2023/10/27 |
学会抄録 | Web abstracts 1126 |
概要 | 【目的】IDH mutant glioma (IDHmt)に対し、T2-FLAIR ミスマッチサインは非常に特異度が高い所見として知られるが、感度は特異度に及ばずサイン陰性となるIDHmtをしばしば認める。他方、サイン陰性病変にはIDH wild type (IDHwt)が含まれ、IDHwtの早期鑑別も重要な課題である。本検討ではサイン陰性病変のIDHmtとIDHwtを鑑別できないかFLAIR画像に関して検索した。
【対象】2019年1月〜2021年3月に当院で実施された脳腫瘍PET/MRI精査711件のうち、diffuse astrocytomaと画像診断された非造影病変の初発術前症例35例から未手術又はIDH未検例を除外した18例中、8例のT2-FLAIR ミスマッチサイン陰性例を対象とした。 【方法】群間比較はWelchのt検定で行い、p値とCohenの効果量fを算出した。IDHmt群(n=4)およびIDHwt群(n=4)は群間に年齢(平均46.0±11.5歳,p=0.71,f=0.29)とMET集積値(平均T/N比1.62±0.48,p=0.69,f=0.30)の差異を認めず、性比は両群とも0.5であった。サイン検出に適した反転時間(TI)とされるTI2400msのFLAIR画像の各スライス(5mm間隔)にて腫瘍組織と判定したFLAIR高信号域(lesion:L)の信号強度(max・mean・min)をImageJにて測定し、各項目を健常白質(NW)との比(L/N比)を用いてIDHmtとIDHwtを比較した。両群の画像コントラストに関し、NWの信号値および健常皮質/NW比の分布に両群間の差は認めなかった(それぞれp:f=0.50:0.20; 0.72:0.26)。 【結果】各スライスのmax・mean・minを全スライス間で各々平均した値 (MAX・MEAN・MIN)のL/N比はいずれも群内平均値がIDHmt群>IDHwt群となり、p値とfはそれぞれMAX 0.065:1.66、MEAN 0.023:2.21、MIN 0.039:1.88であった。IDHmtはIDHwtよりも、FLAIR画像において信号が高く、MEANのL/N比が最も両群の差異を強く示した。 【考察】本検討ではMAX・MEAN・MINともf>0.8と効果量が大きく、十分な症例数に達した時にIDHwtを鑑別するための閾値を得ることも期待できる。 【結論】T2-FLAIR ミスマッチサイン陰性の非造影病変において、FLAIR信号強度によりIDH statusを鑑別できる可能性がある。 |