ツヅキ シユンスケ
Tsudzuki Shiyunsuke
都築 俊介 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | スマート手術室の現状と今後 |
会議名 | 日本脳神経外科学会 第82回学術総会 |
主催者 | 一般社団法人 日本脳神経外科学会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
発表者・共同発表者 | ◎村垣善浩, 吉光喜太郎, 都築俊介, 齋藤太一, 郡山峻一, 石川達也, 田村学, 山口 智子, 篠山 隆司, 正宗賢, 川俣貴一 |
発表年月日 | 2023/10/27 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
開催期間 | 2023/10/25~2023/10/27 |
学会抄録 | Web abstracts 308 |
概要 | 高品質な外科手術の意思決定は豊かな経験とそれに裏打ちされた暗黙知により行われてきた。この暗黙知を客観的な形式知に変換できれば、再現性高く誰にでも利用できる決定木となる。具体的には、意思決定に必要なアナログ生体信号を可視化し、デジタル化し(Digital transformation: DX)、情報化することである。近年注目の人工知能AIは、情報化のステップを自動で行える解析手法とも考えられる。
我々は、多種類の術中生体信号を可視化しDX化、情報化することで、判断を支援する情報誘導手術を開発し、神経膠腫摘出術に適応した。3種情報-摘出すべき腫瘍位置を示す解剖学的情報(術中MRIやナビゲーション)、温存すべき運動や言語の機能的情報(MEPや覚醒下手術)、腫瘍か周辺かの組織学的情報(術中病理やflowcytometry)-を構造データ化してきた。スマート治療室SCOTの原型であるインテリジェント手術室で2023例を施行し、神経膠腫の平均摘出率は90%で、術後死亡率は0.05%(文献3%)と極めて低かった。 各機器間をミドルウェアによってネットワークで接続しIoT化したスマート治療室SCOTでは、データは時間同期され、ナビゲーションにより空間位置記録もあり、高品質の多種類情報が戦略デスクに表示され意思決定が支援される。コミュニケーション機能も装備され、医局等から上級医の指導、更に5G回線があれば携帯端末から遠隔D to D支援も可能である。360例を施行した高機能版のhyper SCOTでは、AIを術前シュミレーション(GRIDⓇ:Kim et al.)や術中画像のartifact低減に用い、brain shift予測や類似症例検索による予後予測ソフトウェアを開発中である。スマート治療室は、脳外科では良性脳腫瘍や脳血管内手術、整形外科では骨腫瘍、外科領域では肝臓がんやリンパ管腫症や鎖肛等で用いられている。 今後は、スマート治療室のモバイル化、手術ロボットhinotoriやAIロボットAIRECとの連携や手技の半自動化等によって、遠隔での精密誘導診断治療が実現すると考える。 |