ロ ブントウ
Ro Buntou
呂 聞東 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 嘱託医師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 摘出困難な運動野内に限局するグリオーマに対する覚醒下手術の実際 |
会議名 | 日本脳神経外科学会 第82回学術総会 |
主催者 | 一般社団法人 日本脳神経外科学会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎齋藤太一, 村垣善浩, 丸山隆志, 都築俊介, 郡山峻一, 呂聞東, 川俣貴一 |
発表年月日 | 2023/10/27 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
開催期間 | 2023/10/25~2023/10/27 |
学会抄録 | Web abstracts 768 |
概要 | (背景)運動野に限局するグリオーマの積極的出は、術後重篤な運動障害のリスクがあり困難と考えられてきた。我々はこれまで難易度の高いこの領域の腫瘍に対しても覚醒下手術と経皮質MEPモニタリングの併用により積極的な摘出が可能であることを報告してきた。今回さらに症例を加え、この領域のグリオーマに対する摘出方法、手術成績を呈示するとともに、摘出の実際についても供覧する。
(方法)対象は2005年~2020年までに当院で摘出術を行った運動野内に限局するグリオーマ35例。平均年齢40才、男性26例、女性9例。全例覚醒下手術にて自発運動を確認しながら、経皮質MEPのモニタリングを併用し摘出を行った。術後の運動機能障害は、No change, Declined (Mild, Moderate, Severe)の4段階で評価し、Moderate, Severeは日常生活に支障を来す障害のレベルとした。術6ヶ月後の運動障害の程度を評価し、術6ヶ月後の運動障害の程度と、覚醒下手術中の自発運動の変化・経皮質MEPの変化との相関について検討した。 (結果)35例中2例では経皮質MEPで有効な波形が得られなかった。平均摘出率は93%。術6ヶ月後の運動機能は、Stable 24例、Mild 8例、Moderate 2例、Severe 1例であり、日常生活に支障を来す障害は3/35例(8.5%)であった。6か月後の運動機能に関しては、術中自発運動が低下しなかった8例では経皮質MEPの変化に関わらず運動障害を認めなかった。術中自発運動が低下し経皮質MEPが50%以上低下した13例中9例(69%)で運動機能障害を認めたが、moderate以上の障害は3例のみであった。自発運動が低下したが、経皮質MEPが50%以上の低下を示さなかった12例では日常生活に支障を来す運動障害を認めなかった。 (結語)覚醒下手術による自発運動の観察と経皮質MEPによるモニタリングは相補的に判断することにより6か月後の運動機能を予測することが可能であり、運動野グリオーマの積極的な摘出に寄与するとともに、摘出の引き際の見極めにも有用である。本発表では、摘出術の実際についてもビデオで供覧する。 |