カワマタ タカカズ
Kawamata Takakazu
川俣 貴一 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 教授・基幹分野長 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 成人視床グリオーマに対する臨床的、遺伝子学的解析と治療成績 |
会議名 | 日本脳神経外科学会 第82回学術総会 |
主催者 | 一般社団法人 日本脳神経外科学会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎都築俊介, 新田雅之, 齋藤太一, 丸山隆志, 郡山峻一, 増井憲太, 小森隆司, 村垣善浩, 川俣貴一 |
発表年月日 | 2023/10/26 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
開催期間 | 2023/10/25~2023/10/27 |
学会抄録 | Web abstracts 449 |
概要 | 【背景】成人視床グリオーマ(Adult thalamic gliomas:ATG)は稀な発生率ながら深部病変ゆえ摘出が困難で治療に難渋することが多い。またWHO2016分類で新規導入されたdiffuse midline glioma (DMG), H3K27M-mutantはATGの一部を構成しているが、成人ATGにおけるH3K27M変異の意義や視床DMGの予後は報告により様々であり、一定していない。
【方法】当施設で2007年10月から2022年6月までに手術を施行したATG連続45例に対し、臨床的、放射線学的、病理学的、分子学的特徴を後方視的に解析し、治療成績とATGの予後因子を検討した。 【結果】年齢中央値は45歳(range, 18-74歳)、術前KPS中央値は70%(range, 40-100%)であった。MRI上腫瘍最大径は中央値37mm (range, 22.6-62.6mm)、Gd造影は31例、両側病変は8例に認められた。31例で摘出術、14例で生検術が施行された。WHOグレードはG2 2例、G3 7例、G4 36例で、全例IDH野生型であった。全症例のMedian PFSは9.5か月、Median OSは26.0か月であった。G4の内訳はDMG19例、GBM17例であり、G4のみの解析でMedian OSはDMG 30.4か月に対してGBM 12.4か月であった(P=0.012)。全症例での解析でH3K27M変異例は予後良好の傾向を認めたが有意差は認めなかった(P=0.118)。一方でTERTは野生型29.2か月に対して変異型9.3か月と有意差をもって変異型が予後不良であった(P=0.026)。単変量解析では年齢とTERT変異の有無が、多変量解析では年齢、TERT変異の有無、WHO gradeがOSの予後因子であった。 【結語】小児例中心の過去の文献では、H3K27M変異が予後因子とする報告が多いが、今回の成人例での解析結果ではTERT変異が予後因子であり、成人と小児では視床グリオーマにおけるH3変異の意義は異なると考えられる。 |