ツヅキ シユンスケ   Tsudzuki Shiyunsuke
  都築 俊介
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 標準脳機能データベースを用いた手術予測と5G ネットワークにおける遠隔手術支援の応用
会議名 第23回日本術中画像情報学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
発表者・共同発表者◎田村学, 佐藤生馬, 吉光喜太郎, 齋藤太一, 都築俊介, 郡山峻一, 桑野淳, 山口智子, 川俣貴一, 村垣善浩
発表年月日 2023/06/24
開催地
(都市, 国名)
福島
開催期間 2023/06/24~2023/06/24
学会抄録 第23回日本術中画像情報学会 抄録集 30
概要 17:00 ~ 18:08 シンポジウム2:モニタリング・新しい手術支援 SY2-07
座長:鎌田 恭輔(恵み病院 脳神経外科)松田 良介(奈良県立医科大学脳神経外科)
我々の施設では、脳腫瘍摘出術の際、手術顕微鏡画像、ナビゲーション画像、MEP データ等の各種手術室で利用する医療機器情報や覚醒下手術記録画像の手術情報を、時間同期し取得した後に統合管理することにより、スマート治療室をひとつの医療機器としてとらえてきた。ただし、現在これらデータを管理する術中情報はスマート治療室が設置された病院内に限定使用され、手術安全やデータ管理はローカルデータにとどまる。そのため、各拠点での手術データ活用や遠隔手術支援、さらには遠隔手術実現にむけた広域かつ多元的な取り組みが重要と考えている。
手術データ活用においては、AI 医療による医療技術の高水準での均一化を図ることを目的として、手術工程解析用AIと画像解析用AI の大きく2 点について開発を行った。前者では手術の状況・進捗を把握可能とするための顕微鏡動画解析を実施、後者では術中MRI 画像のセグメンテーションを実施した。こうした取り組みにより複数医療機関で実用可能な医療AI 共通プラットフォームの実現を目指している。
前述の手術データは、スマート治療室を介した遠隔手術支援に向け、他拠点と共有し、解析および遠隔地から確認することが必要である。我々はこうした取り組みに必須となる基盤として、大容量かつ低遅延な5G によるデータ転送に
取り組み、スマート治療室より得られる情報を共有し解析可能な共通プラットフォーム実現を目指した実証実験を東京-函館間において行った。
スマート治療室で実施し抽出できた55 症例から手術工程及び画像セグメンテーションについてのAI 解析を行い、脳機能位置を標準脳に統合する手法を確立した。この技術は脳機能マッピングや腫瘍摘出領域決定を支援することに役立つものと予想される。さらに、5G 環境での4K 手術動画配信実験では1.51 秒の遅延となった。遠隔手術にすぐの活用に最適な条件でないものの、技術面の改善を重ねることで、専用線接続をメインとした遠隔手術支援に有用と考えられた。
今後術中情報へのリアルタイムAI 解析により、術中の手術工程や状況などを容易に把握可能とし、遠隔地の熟練医などが容易に手術状況をどこからでも確認し手術のアドバイスを可能とする未来型手術を目指す。