タカダ タクマ   Takada Takuma
  髙田 卓磨
   所属   研究施設 研究施設
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 担癌患者における抗凝固療法導入の実態
会議名 第43回日本臨床薬理学会学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎鈴木 敦, 髙田 卓磨, 春木 伸太郎, 南 雄一郎, 山口 淳一
発表年月日 2022/11/30
開催地
(都市, 国名)
横浜
開催期間 2022/11/30~2022/12/03
概要 【目的】非弁膜症性心房細動および静脈血栓塞栓症に対する直接経口抗凝固薬が使用される頻度が増加している。他疾患治療の発展と高齢化社会の進展により、担癌患者において抗凝固療法が必要とされる場合も多く遭遇する。当院で抗凝固療法を開始した患者を対象として、担癌患者における使用実態を調査した。
【方法】2021年1月から同年12月の期間に、東京女子医科大学循環器内科において抗凝固薬を投与した497例のうち、新規に導入された273例を対象として、患者背景、悪性疾患の有無および血栓または出血事象の有無を調査した。
【結果・考察】対象となった273例の平均年齢は72歳、女性は104例(38%)であった。抗凝固療法の適応は、心房細動が195例(71%)、深部静脈血栓症43例(16%)、肺塞栓症15例(5%)であった。担癌患者の割合は、肺塞栓症例のうち47%と最も多く、深部静脈血栓症例では33%、心房細動例のうちでは7%であった。心房細動例195例について検討したところ、CHADS2スコアは中央値(四分位)2(1-3)点、CHADS2-VAScスコアは4(2-5)点であり、担癌患者と非担癌患者で有意差は認めなかった。また、血栓イベントはなく、出血イベントを5例(担癌患者1例、非担癌患者4例)に認めた。
【結論】本検討では担癌患者において抗凝固療法中の出血事象に有意な増加は認めなかったが、担癌患者における抗凝固療法の適応は慎重な判断を要する場合もあり、さらなる検討が必要である。